「海街diary」 1 蝉時雨のやむ頃(吉田秋生) | 水の中。

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「お父さんが亡くなったんだって」



15年前に出て行った父の突然の訃報に、佳乃たち三姉妹は実感のわかないまま、
葬儀へと訪れる。
そこで異母妹である少女・すずと初めて顔を合わせるのだが――



吉田 秋生
海街diary 1 (1)


タイトルのように、鎌倉の古い家に暮らす三姉妹+末の妹の物語。
父親の死によって彼女たちは同居を始めるのですが……



いやー、ホーム・ドラマですね!
超人的な人物が出てくるわけでも、殺人事件が起きるわけでもない、そしてセンシティブな恋愛が発生するわけでもない、とてもとても普通のホーム・ドラマ。
しかしそれをドラマとして成立させて読ませてしまうあたり、この作者さんの作家力であると思われます。



すずちゃんの、
「自分ちでつくる梅酒なんて初めてで、飲んでみたかったんだもん」
というセリフにしんみりしてみたり……。 ←そういうのに弱い

扱うエピソードは深刻なものですが、描き方が優しいので、読後感がとても良いですね。
ただ、気になるのは、絵柄が(正確にはキャラクターが)とてもとても、
まるっこくなっていること。

この物語に合わせてのことだろうと思いますが、
同じ鎌倉を舞台にした「ラヴァーズ・キス」の藤井くんまで登場させているので、あちらとの落差が気になったり……。
個人的には前の絵のほうが好きですが、あれで三女チカちゃんのあの髪型はムリか……。