ほろにがいバレンタイン | 水の中。

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海外小説のレビューと、創作を。

同僚のBさんは、とってもうっかり者で、あわてんぼう。

アクセルとブレーキを間違えて壁に激突してしまったり(生きててよかった……)、シュレッダーにネクタイを削られてしまったり(ネクタイで済んでよかった……)という、いまどきドラマでも見ないような失敗をしてくれる、伝説のひと。

そんな彼が好きで好きで仕方ないのは、となりの課の、とっても有能でゴージャスな女性。
それを周囲に知られているという事実を、本人のみが知りません(不倫なんかもそうですよね)。

ある日、Bさんと彼女を含めた何人かで、お疲れさま会のようなものがあって、それがたまたまバレンタインデーの前日でした。
「何かあげたほうがいいわよね」
という彼女の言葉に、後輩にあたる私がチョコレートを用意して、男性陣にプレゼント。
Bさんは彼女から手渡されたチョコに大変カンゲキしてしまい、
「さすが○○さんだよね!すごいステキなチョコで、とっても美味しかったよー!!」
と大興奮。

すみません、それ買ったの私なんです。
しかも時間がなくて、近所でテキトーに買ったチョコなんです。

どうしても言えないままでいた、それが昨年のバレンタイン。

今年は彼にも愛のあるチョコが届くといいな。