恋人と別れた彫刻家ロスは、別荘地で美しい人妻セレステと、その妹レダに出会う。彫刻の依頼を受け、姉妹とのかかわりを深めるうちに、殺人事件の後始末に巻き込まれてしまう……。
「訳者あとがき」の著作リストを見るまで、気がつきませんでした。あのお金持ち刑事・ヘイドンのシリーズを書いてるひとだったのか!わー、全部読んでるよ……。
世間的に有名なのは、「悪魔が目を閉じるまで」かもしれませんが。
本作は、残虐非道な殺人事件とも、やるせない現実をもつ世界情勢からも離れ、テキサスの美しい別荘地で展開するミステリー。
事件について真実を語っているのは、姉セレステなのか、妹レダなのか。
先が知りたくなる展開です。
が、このラストは……。
「犯人」の設定もちょっとポカーンとしてしまう。背景となる主人公の過去も「そんな的外れな逆恨みってあるのかー」というカンジ。そもそも殺人の被害者の設定が特殊すぎて、そこに何か仕掛けでもあるのかと思っていましたよ。なかったけど。
おそらく、削除されたというエピローグがあってこそ完結する物語なのではないでしょうか。
レダの姿をうつした彫刻は、いったいどうなったのか。
事件そのものよりも、そちらのロスの彫刻家としての葛藤のほうが、本作においては大事なテーマだったと思えるだけに、まったく言及されないままの、放り出されたようなエンドマークには納得できませんでした。
このエピローグ部分が読みたかった。
こういう、読者を突き放すよーなラストが有効なのって、一昔前のホラーくらいなんじゃないか……?
ここまで書いてきたことを、みずから台無しにしなくても。
(評価★★)