バリトンの男
水曜日と金曜日は北見男声合唱団の練習日。
次のステージに上がるまでの、ひと月ちょいの間に4ステージ分の曲を全部覚えなければならないので、練習が無い夜にはひたすら音を採りつづけるという単調な毎日が続いています。
僕は今まで、男声合唱ではセカンド・テナーひとすじで歌い続けて来たのですが、今回は団の事情もあり、また「常に新しいことをする」という自分のモットーにもしたがって、今回はじめてベース系であるバリトンに入れていただきました。
サッカーに例えると、トップ下からボランチの位置まで下がってきたといいましょうか。今までは試合を決定づけるFW(トップ・テナー)に向けてパスを供給するゲーム・メーカー的な役割に徹してきたわけですが、今度ははそこからさらに下がって、FWからDF(ベース)までチーム全体を見渡してゲームをコントロールする場所に来た訳ですね。
FWからDFまでを見渡しつつフィールド全体を縦横無尽に動き回るので、これはこれでなかなか楽しい役割です。もちろん僕は元テナーですから、チャンスがあればトゥーリオよろしく前線まで駆け上がってシュートを狙います。(しないけどね‥)
☆☆☆☆
北見男声合唱団は今年結団25周年ということで、メンバーの主力は50代から60代。40代前半の僕がバリバリの若手になってしまうほどですから高齢化は深刻で、練習の合間の話題はあそこが痛いとかここが悪いとか、何の誰さんは何日に退院して何日から練習に出てくるとかそんな話。
でも、いったん歌い始めてしまえば皆、年齢なんか全く感じさせません。指揮者とパート・リーダーが怒鳴りあいながら練習を進めてゆくさまは壮観ですらあります。(単に耳が遠いので、声がでかいだけかもしれませんが)
その一方で、音の深さ(としか表現しようがない)と重厚なハーモニー、表現力は、やはり若輩者には逆立ちしても出せないものがあります。
彼らと一緒に歌っているだけで、いろいろなものを教えてもらうことができる僕は合唱団員として幸せだと思いますし、こんな歌の歌える爺さんになりたいと、真剣に思いますね。
音楽が好きな人には全て、男声合唱団が歌うタ
ダタケを一度は聴いていただきたいと、切に思い
ますね。絶滅してしまう前に。
