サトウユウイチのごすぺる放浪記 -587ページ目

魂のラッパが鳴り響く


ユーリのごすぺる放浪記



 今回の定期演奏会でいただいた幾つかの感想の中で、一番嬉しかったのは、

「真剣に楽しんで歌っているのが伝わってきた。」という言葉でした。


 ステージに何回か上がったことのある人なら皆知っていることだと思うのですが、

本番ではかならず、練習では一度もおこらなかったような「事故」がおこります。


 歌う側からすると、実は今回のステージ、特に前半は決して良い出来と言えるものではなかったのですが、

それらをなんとかクリアし続けながら無事に演奏を終えることができたのは、

もちろん指揮者の先生方やピアニストさんのおかげだったのは確かだったのですが、

団員ひとりひとりが、練習もステージも「真剣に楽しんで」取り組んだ結果でもあり、

だからこそ、技術的な問題を越えて、観客の皆さんにそれが伝わったのだろうと思うのです。


 ロビー・ストームの時に、400人をこえる観客の皆さんが心の底から満足した表情を見て、

まあ、いろいろあったけど、この演奏会は成功だったのだろう、というのが僕の結論です。(笑)



 課題も、いくつか見つかりました。

 特に一番今回考えたのが、年齢の問題。


 今は多くの合唱団が高齢化の波にさらされており、北見男声も決して例外ではありません。

 平均年齢が60歳をこえ、しかも1年1年確実にみな歳をとっていきます。

 ある団員が「気持ちは一生懸命やってるんだけど、体がもう言うことをきかないんだ。」と言っていましたが、

僕も決して例外ではありません。


 闘病生活を続けながらも、ついに亡くなる直前までステージに上がり続けた、

島田さんを僕は目標としていたのですが、

今から10年後、20年後、30年後、年齢を重ねていけば体力が落ちて、

高い音も出なくなるでしょうし、音も不安定になるでしょうし、

ステージに足で立ち続けることもつらくなっていくでしょう。

 そうなってもなお、自分は歌い続けることができるのか、

いや、それ以上に、歌わせてくれる団体が存在しているのか、

それを、つい考えてしまいました。



 しかし、希望もあります。


 打ち上げの席での挨拶で、僕は今回のステージ、一曲一曲にドラマがあったという話をし、

一度破たんしかけた曲を、誰にも気づかれないように修復したことをほのめかしました。

 自慢話は好きじゃないので(笑)、具体的に何をしたかは言いません。

 もしかすると、録音したものを何度か聴き直した人は気付くかもしれない。

 そのくらい、さりげなくやったことです。


 大切なのは、そんなことではなくて、

それを聞いた団員の皆が、「あそこは、こうだった」「ここは、こうしたら?」といった感じで、

挨拶してる僕をそっちのけにして。大論争をはじめたことです。

 本当は気分を害さなければいけないところなんでしょうが、僕はそれが嬉しかった。

 60代、70代になってもなお、気持ちさえあれば成長を続けることができる、ということを知ったからです。


 最近は、伝えたたいという熱意は伝わるけど、何を伝えたいのかさっぱりわからないウタウタイが多い。

 そんな中で、私達には歌を通して伝えなければならないものが、まだ、たくさんあります。

 だから、まだまだ歌い続けなければなりません。年齢は関係ないのです。



☆☆☆☆


 北見男声合唱団 第19回定期演奏会


  2010年9月4日(土)

  北見芸術文化ホール・音楽ホール


  第1ステージ

   「秋のピエロ」 作詞 堀口大学  作曲 清水 脩

   「ピリカピリカ」 作詞 近藤鏡二郎   作曲 清水 脩

   「無宿者の歌」 作詞 北原白秋  作曲 清水 脩

   「智恵子抄巻末のうた六首」 作詞 高村光太郎  作曲 清水 脩


  第2ステージ

   「いい日旅立ち」  作詞 谷村新司  作曲 谷村新司

   「山のけむり」  作詞 大倉芳郎  作曲 八洲秀章  編曲 高橋 閏

   「北上夜曲」  作詞 菊地 規  作曲 安藤睦夫  編曲 佐藤亘弘

   「北の旅」  作詞 さとう宗幸  作曲 さとう宗幸  編曲 高橋 閏

   「チャペルの鐘」  作詞 和田隆夫  作曲 八洲秀章  編曲 高橋 閏

   「昴(すばる)」  作詞 谷村新司  作曲 谷村新司  編曲 山本純ノ介


  第3ステージ

   「Little Innocent Lamb」

   「Swing Low Sweet Chariot」

   「Steal Away」

   「Soon Ah Will Be Done」


  第4ステージ

   「飛行石」  作曲 久石 譲

   「世界の約束」  作詞 谷川俊太郎  作曲 久石 譲

   「時には昔の話を」  作詞 加藤登紀子 作曲 加藤登紀子

   「エボシ タタラうた~もののけ姫」  作詞 宮崎 駿  作曲 久石 譲

   「いつも何度でも」  作詞 覚 和歌子  作曲 木村 弓

   「君をのせて」  作詞 宮崎 駿  作曲 久石 譲




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