想い出波は去ったあとに、ときおり可憐な貝殻を濡れた砂に置いていったりします。人との出逢いのあとには、必ず想い出が残されます。たとえ傷つけあった別れでも、想い出のなかでは美しかったことや、懐かしかったことが渚の桜貝のようにちりばめられているものです。生きるとは、人に出逢い、やがて別れていくこと。限りなくくり返し渚に打ち寄せ、去っていく波の動きに似ています。