隙間風(詞) | 吟遊詩人 (高次脳機能障がいを抱いて……)
あれがあなたの好きな場所ね
海が見下ろせる小高い丘
あなたの声が遠ざかってゆく
わたしは黙って丘を見つめる
目を閉じて風を感じて
さかのぼるほんのひととき
こんな風いままで感じたことはなかった
あなたがわたしから離れてゆく
たそがれはざわめきを消して
彷徨う雲はゆく宛もない
あの優しさは他のだれにも
見せないでただそれだけ
流れゆく曇のように
時は過ぎ戻ることを知らない
こんな風いままで感じたことはなかった
サヨナラの言葉を探している


