桜貝(詞) | 吟遊詩人 (高次脳機能障がいを抱いて……)
海辺に寄せる白い波しぶき
濡れた砂浜に残る小さな桜貝
まるでそれは想いを宿す人のように
哀しく波に揺れていた
たとえ悲しくても苦しくても
想い出には美しかったこと
ただそれだけを砂に残しては
揺れている ただそれだけのこと
そうさ
人は誰かを愛さずにはいられないんだ………
絶え間なく波が打ち寄せては
いつまでも踊り続ける小さな桜貝
まるでそれは想いを呟くように
ひとり波に語っていた
たとえ傷ついてもつらくても
想い出には微笑んだこと
ただそれだけを砂に残しては
踊っている だけそれだけのこと
そうさ
人は誰かに愛されなければいられないんだ………


