傷あとの残った白い壁に

古いアイドルのポスター破るれている 


吹きだまりの涙の匂い

薄汚れた靴でもみ消した夜だった


別れの場面のたびごとに 

女はいつしか女優になっていた


想い出に引きずられそうな夜は

冷たい言葉を優しくくれた


過ぎた日々に

カーテンコールはもういらない


ひとりで眠るとき夢になればそれでいい………



横殴りの雨の街が

濡れたワイングラスに揺れている


淋しい同士が出逢うから 

心のしぐさは火を貸すくらいだった


幸せも終わってしまえば 

男と女は悲しい喜劇だった


傷ついても立ち上がれずに

丸めた背中で泣くだけ泣いた

 

過ぎた日々に 

カーテンコールはもういらない


ひとりで眠るとき夢になればそれでいい………