白いロフトの壁に

美しい女優のポスター破れかけてる


吹きだまりの涙の匂い

薄汚れた靴でもみ消した夜だった


別れの場面のたびに女は女優にだった


引き連れない想い出になるなら

冷たい言葉を優しくかけてくれた


過ぎ去った日々には

カーテンコールはもういらない


ひとりで眠るとき

夢になればそれでいいから



よこなぐりの雨の街が

ワイングラスに冷たく揺れてる


淋しい同士が出逢うから

心の仕草は火を貸すくらいだった


終わってしまえば男は喜劇だった


傷ついても苦い笑顔を吐き出して

丸めた背中で泣くだけ泣いた


過ぎ去った日々には

カーテンコールはもういらない


ふりかえるといつか

淡い絵になればそれでいい