私たちはみんな、手ぶらで生まれてきました。

服も着ていなければ、持ち物もなく、文字どおり素っ裸。あるのは命と、その命の宿る肉体だけです。

もっといえば、心はまっさらだし、知識も経験も人間関係も、何もかもがゼロです。

生きていくことは、ゼロの上に様々なものを増やしていくこと。ただ死ぬときはまた、生まれたままの姿に戻り、手ぶらで旅立っていきます。

その真理の上に立てば、なくすと困るものは命以外に何もないと思いませんか?

そうであったら、何かを失うことを恐れたり、心配したりする意味もありません。

もっとも人間には、1度手にしたものは手放したくなくなる習性があります。

これがやっかいなことかもしれません。

地井・権力・名声でも、友人・知人でも、お金でも物でも、何かを失うかもしれない危険に直面したときは、思いだしましせんか?

人間はゼロから生まれ、ゼロで死んでゆく、ほんらいは素っ裸なんだと。

人としての原点に返ったとき、「失うものは何もない。命があれば十分だ」という気持ちになれるはずです。

この “小さな悟り” ほど、人を強くするものはないのです。