人間というのは不思議なものです。

会社での地位が上がったり、待遇が変わったりすると、急にいろいろな人がペコペコしてきたりして、偉くなった気持ちに陥ることがあります。

すると、人によっては冷静さが失われ、自分を過大評価してみたり、周りの人が愚かに見えたり、正しい判断ができなくなったりします。

すると疑心暗鬼になり、他人の本心が見えなくなってしまうこともあるでしょう。

中国の唐代の詩にこんな一説があります。

身は是菩提樹
心は明鏡台の如し
時々に勤めて払拭(ほっしき)して
塵埃(じんあい)をひかしむることなかれ

僕たちの身体は、真実を求める人間として生きる樹であり、心は一点の曇りもない鏡である。

鏡は絶えず努力して磨き、塵や埃がつかないようにしなさい。 という意味だそうです。

鏡は、目の前にあるものをありのままに映します。

ただし、慢心や猜疑心など、心に迷いがあれば、鏡の中に映るものは曇ったり、形が歪んだり、欠けて見えたりして、全体がわからなくなってしまいます。

人は、うまくいっているときほど心の鏡は曇りやすい。

だから、人の言葉を誤解したり、親切を喜べなかったり、素直に受け取れなくなってしまうのでしょう。

普段の生活でもそうですが、鏡はすぐに曇ります。

洗面台の鏡には水しぶきが飛び散ります。怖いのは、放っておくと、汚れている状態に慣れてしまうこと。

たまに綺麗に磨くと、「え、こんなに汚れていたんだ」と驚くことがあると思います。

成功しているときほど、注意深く、自分の心のありようを見つめましょう。

今の僕らに、心の曇りはないでしょうか。
埃や塵はこまめに払い、心にはいつも真実を映したいものですね。