昨日のことだった。
とても気持ちが沈んでいた。朝から。
タスクをやり終え、ちょっと、いや、かなり憔悴。
そのまま電車に乗り、
三鷹のアトレでお総菜を買って、特快に乗り換えた。
その前の日も、考え事やらタスクで、無器用に日をすごしたなあと、
ぼんやりつり革にすがりついていたところ、左のひじのあたりに感触があり、
振り向いた。振り向こうとした。
「あ、ちょっとまって、、、あのね、髪に、虫がついているので、とってあげますね。」
動かないように、、、、というニュアンスのやさしい女性の声で、そのまま従った。
わずかな感触があって、彼女の手が離れ、振り返るとき、「ありがとうございます!」と返事をした。
「いいえ、きれいな髪留めだな~と、目に留まったので、見ていたら、動くので、
虫だわ~と思ったの。どこかで、放してあげます。」
白いビニールの内側に、黄緑色の、わたしの人差し指の爪ほどの姿を発見、カメムシだった。若いカメムシ。
「ありがとうございます。すみませんお気づきくださって。わたしがやりますから。」
「いいえ、わたしがやりますから。きれいなかたちよね、、、。」
三鷹で降りて、お総菜を買っていたときも、そのキミドリカメムシは、髪の波の上にいて、
きっと、豊田の駅で乗るときにも、いたんだ。もしかしたら、たましんさんで、
一心不乱に機会と格闘しているときも、、、、。なんと。
一通りの会話を終えて私が下りる中野まで、あと3分。
この時間が長い。
どのような方で、どこまで行くのだろう。お連れの男性は女性と同じ雰囲気。
私までの距離、約一メートル、電車の中の一メートルは遠い。
間には3人の人が立っている。前後も含めると10人だ。
小さな声だけど、お話の内容がはっきり聞こえる。
「どうしたの、何かついていたのだね、ああ、、、」
「きれいな髪留めだなとおもっていたら、違ったから、降りたら放してあげるの。」
「そうだね、そうしようね。」
あたたかいやり取り。
~その距離から、わたしの髪にいた虫を、とってあげようと思って近づいてくれたんだ。
カメムシってい言ったら、かわいそうだからって、きっと思ってくれた、潰さないように、
やさしく触れて、とってくれたんだ。驚かさないように。なんて美しい配慮だろう~
そう思った。思ったらとたんに涙が出てきた。
あと2分。どうお礼を言おう。このところさんざんで、すさんで、乾ききっていたわたしのこころ。
そんなこと知らないに決まっている、このやさしい女性。この女性になんて言おう。
中野についた。先方に下りる気配はない。
「ありがとうございました。ほんとうに、おやさしい方、虫さん、よろしくお願いします。」
と言って頭を下げた。
「はい、何処かで放してやりますね。」
彼女とお連れの男性も、会釈。
おわかれ。
彼女はきっと、あのキミドリカメムシを、緑のある場所まで連れて行く。
こんな寄り道させられたとか、カメムシくさい~~なんて絶対思わない。気づいて、見て見ぬふりをしないひと。
こういう勇気は、意外に難しい。そのことを知っている、人。
きれい。年齢なりの皺が美しい。私の好きな美。
昆虫は、
形がきれい。
カメムシも菱の形がきれい。
若いカメムシなんて、珍しい。私の髪に来てくれた。私と彼女の出会いと別れの一瞬を連れてきてくれた。
電車が行き、駅もあと。
私も歩く。
歩きながら、素敵な時間だったと思う。おかげさまで涙が流せてこころがうるおい
ぷるぷるのハートになったみたいだ、と思った。よし、前を向いて自分を信じていこう。
そんな昨日の出来事でした。
それではまたです!
みなさん風邪にきをつけてね~~
秋風。あすもがんばろう!