「帰り道」
コウキは駅まで送ってくれた。
「あのさー。」
「ん?」
コウキは煙草に火をつけながら言った。
「俺に妊娠したとか言ってきても無駄だから。
俺ちゃんとしたかんな。」
Hするまでとは全く違うコウキの態度。
「あは・・そんな風にお金とられた事あるとか?」
駅まで 静かだった。
「送ってくれてありがとー。 またね?」
「・・うん。ばいばーい。」
その日の夜、コウキとメールした。
その次の日も、コウキとメールした。
その次の次の日だった。
ピリリリ
あ、またコウキからメールだ!
『俺 彼女いるから、もうメールやめよ。』
あれっ そうなんだ、仲良くね なんて普通に返した覚えがある。
私はディープキスの浅さを知った。
その変わり私は今、男の浮気を全く許せる。
心と体は繋がってなんていないこと、私が一番知っているから。
「初体験 3」
コウキはその先を続けようとした。
「や、やっぱり帰ってもいい?」
「付き合おうよ。」
「え?」
コウキはじっと目を見た。
「今日から付き合おうよ。 な?」
「・・・うん・・」
気に入った人に気に入られて、その日その人の家で結ばれて・・・
それでそこから始まって、楽しい毎日がおくれる。
そんな風に思ってた。
「痛い?大丈夫?」
「ちょっと痛い、」
「ん・・好きだよ・・・」
コウキは 私に、深い、深い、ディープキスをした。
そう 愛し合ってる者同士にしか出来ないはずの、
深い、深いはずのディープキス。
「初体験 2」
「うーん・・いいよ。行く。」
気に入ってる人に気に入られた。
そんなのは初めてで、きっと恋が始まる気がした。
だから処女である私は コウキの家に行くことにした。
家につき、コウキの中学の頃のアルバムを見せてもらった。
髪が真っ金々だった。
「えー、すごいね~今と違う。」
「金の方がいいっしょ?高校すごい厳しくてさ、
ちょっと茶色いだけでも坊主にされんだよ。」
「あたしんとこも強制的に
真っ黒にされるんだよ~!」
会話がはずんできたなと思ったとこだった。
コウキはいきなりキスをしてきた。
それも長いディープ。
服の中に手を入れてきた。
「ま、待って?あたし した事ないんだよね。」
「え、まじで?キスは??」
「・・・ある。」
ホントはキスもした事なかった。
「は・・だよな。
キスぐらいしても、なんも変わんねーもんな。」
私は今もその言葉を覚えている。
「初体験」
高1の秋、私は隣の男子高との合コンへ行った。
友達の提案で、男子が気に入った女子を選び、
2人きりで遊びに行くというものだった。
4対4で向こうも4人いたけど、
私は最初に見た時から なんとなく、
『一番奥の人がいいな』なんて勝手に思っていた。
特に盛り上がらず 私はほとんど話さなかった。
そうこうしていると ついに選ばれる時が来た。
あぁ、どうせ私なんかは選ばれないんだろうって思った。
「・・じゃあ 俺この子にする。」
私の目の前に来てそう言ってきたのは、
なんと勝手にいいなと思っている人だった。
ビックリしたけど、その人はすぐに私の手をとり
外へ出た。
「名前なんてゆーの?」
「亜希!」
「そっか同い年だっけ?俺コウキ。」
それからコウキとしばらく話していた。
「なぁ、俺が付き合ってって言ったら
付き合ってくれる?」
「あは・・?わかんない・・」
「てゆーかさ、ここにいても暇じゃない?
俺んちすっごい近くだから、来てよ。」
意味はわかっていた。8割くらいね。
