闇を抱える社会~大阪寝屋川事件 | うみへいく
お盆休みの最中に、大阪の寝屋川市で筆舌に尽くしがたい、悲しい事件が起きてしまいました。
まずはお亡くなりになられたお二人のお子様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

私にも二人の子供がおり、亡くなられたお子様と年齢が変わりません。
このような残酷な結末を迎えることを余儀なくされたご両親様、お身内の方々の心痛を考えますと、ただただ胸がつまる思いです。

私の子供もそうですが、この年齢の子供は親からの離脱を求めると同時に、親からの愛情を確認したい年頃でしょう。
大人への階段を上がるために、自己の中の不安定さと闘い、自由を求め、新しい世界を求め、そして愛されていることを感じたい、思春期の直中です。

ご家庭の事情は外からはわからないものです。

この子たちが何故夜間の外出を繰り返していたのか、またそれをご両親が看過していたのかそとも幾度となく注意しながらも止めきれなかったのかは、他者があれやこれやと推測できるものではありません。

残念ながら、どこの国、いつの時代にも狂人と言ってしまって良いのか適当な言葉が見つかりませんが、一般的には考えられない発想のもとに暴走して取り返しのつかない過ちを犯す人間は存在し、ほんのわずかな隙に、予想もし得なかった残酷な結末をもたらしてしまうことがあるのだろうと思います。
今は、誰よりも親御さんが、ご自身の責務を強く感じられ身を引き裂かれるような責めをご自身にぶつけていらっしゃることだと思います。残されたお子様のためにも、そのお心が潰れきってしまわないようにと願うばかりです。

この事件に関する、匿名の恐ろしいデマや、同じく匿名での責任の所在をひたすら断罪する声を目にしますが、そういった世の中にこそ、深い闇があるように、私個人は感じてしまいます。

この容疑者には前科があり、刑務所から出所して、福島での除染作業員として働いていたとのことですが、職場で何やらをやらかし、退職となったとのこと。

職がなくなり、お盆休みで帰省し、不安と弛んだ気持ちから、本質的な欲望を抑えることが出来なくなったのでしょう。

彼は前科では殺人までは犯していません。
人を殺めさえしなければ、ちょっと刑務所に入れられるくらいたいしたことではない程度の認識しかなかったのではないでしょうか?
だからこそ、帰省中にまた同じことを軽い気持ちで繰り返し、しかしながら今度は殺めるところまで至ってしまった。
その心理はえらいことをしてしまったというわずかな後悔と、それを遥かに上回る、してやったのだ!という強い支配感と高揚感に満ちたものではなかったかと感じられます。

恐怖に怯える二人の子供の姿を見ることで高まる支配感こそが、彼の不安定な現状を現実逃避させる満足感となったのだはないかと考えると、この人間の異常性が見えてくるように思えます。

世の中には、こちらの予想の斜め上をゆく、狂った思考の持ち主がうろうろしているという事実を、子供たちには知って欲しいと願います。
そしてそういう人間が活動しやすい深夜、あるいは人気の少ない早朝、場所、などに我が子を出すことのリスクを、親は今一度考える必要があります。

そのような場面に出くわしたとき、どうやってその命を守るのか。親子で普段から話し合いをしなくてはならないのではないでしょうか。

この容疑者を育てた親御さんも、この人の子供時代から聞かれる異常性について、正面から向き合われてきたことがあったのか、我が身を含め再度子育てというものを真摯に考えてみるべきだと思います。