こんばんは。


将棋界が騒がしいですね。

ソフトの不正利用ということですが、囲碁界も当然ながら対岸の火事というわけにはいきません。


というフリをしたところですが、実は今回の本題はちょっとだけズレていて。

今回は「棋譜」とはなにかです。


将棋の加藤一二三プロが昨日のTwitterでこうつぶやいていました。


「将棋の対局に於けるプロ棋士というのは、敵対関係すなわち対戦相手であると同時に、おなじ景色をみながら、後世に語り継がれるに足る『棋譜』という作品をともに創り上げる仲間のような側面もある不思議な関係であり、それが将棋の芸術性をより高め、魅力をより深めてきたのだと個人的に感じています。」


「プロ棋士が、あるときにはその人生を賭して、またあるときにはその魂のすべてを刻みつけて、己の頭脳のほかは一切頼る余地なく、心血を注ぎ真剣勝負の末に紡ぎだしてきたのが『棋譜』です。わたくしはこれまでも、これからも、そう信じております。」


僕は一点を除いて、まさしく同意します。

一点とはどこかというと・・・「己の頭脳のほかは一切頼る余地なく」という部分です。


2016年10月現在、将棋界ではソフトを対局中に使用することは不正とされています。

そういうルールである、ということです。


今年の8月23日に首都大学東京で行われた「インテリジェントロボットとアプリケーション国際会議」(ICIRA)というイベントの中で、謝依旻プロがFacebookの開発した囲碁AI「darkforest」とタッグを組んで、台湾の周俊勲プロと公開対局を行いました。

これはペア碁というわけではなく、「darkforest」が提示した複数の候補手の中から謝さんが1つを選んでいく、という形式だったようです。


台湾の周俊勲九段、謝依旻・女流五冠がコンピューターと囲碁対決


僕は、人間の頭脳や感性といったものの延長として、AIをはじめとしたツールを積極的に使うべきだと考えています。

それは忌避すべきものではないし、もはや流れを止めるようなものでもない、次の時代だと思うからです。


バイクや自動車といったものを、身体の延長と考えることは、現在はまったく自然の価値観だと思います。

蒸気機関が発明された、産業革命の頃は、どうだったのでしょうね。

血の通っていない機械を人々はどういう目で見ていたのだろう。


ああ、話が脱線していました。

「棋譜」とはなにか、でした。


僕は子供の頃、死ぬのがとても怖かった。

永遠ということが怖い。


最近、こんな記事を見ました。


「死の直前、人がとる行動は3つにわけられる」 ある救急救命士が、生と死の狭間で見たもの


記事にはこういう一文があります。


『二つ目のパターンは、記憶への願望です。それが私の記憶の中でも、彼らの愛した人の記憶の中であったとしても、彼らは生き続けるのだと感じたいのです。愛した人、私、私の同僚、周りにいる誰であっても、その人の心の中、頭の中では永遠なのだと感じたいのです。数えられないほどの患者が、私の目を見て言いました。「私を覚えていてくれる?」。』


人は生きるためになにかを消費しているように思います。

もしこの逆が成り立つとすれば、死ぬためになにかを生産する必要があるのではないか・・・と。

僕にとって、そして碁打ちにとってそのなにかを生産する、という行為の結晶が「棋譜」です。


だから、僕の拙い棋譜であっても、どこかに遺しておきたい。

叶うならば人目に触れ、後世に伝わればと思っています。


だから、このブログで自分の棋譜を載せるのは、僕の満足のためです。

よろしくお付き合いください。

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もう先週の話ですが・・・


10月16日(日)に「東西大学OB・OG交流戦」というイベントが行われました。

東西の大学OB・OGのアマチュア約25名ずつが一堂に会し、対局します。

もちろん、懇親もありますが~。


前日、囲碁プレミアム杯でけっこう疲れていたので、連日の試合をどう乗り切るか・・・と思案。

幸い、交流メインのイベントなので、相手はかなりきついながらも「負けてもいいや」の精神で臨むことにしました。

めちゃくちゃな手を打つぞ~。


■1局目 多賀文吾さん


私の黒番です。



棋譜再生


150手以下略 白11目半勝ち(たぶん)


(下書きしながらだけど、2回ほどPCがフリーズして心折れたので、ごく簡単なコメント)

上辺の折衝では、白がミスをしたせいもあり、序盤はかなり黒が打ちやすくなりました。

ただ、右辺の折衝で白に粘られ、ある一瞬「フッ・・・」と集中力が切れ、黒117と生きを確かめたのが軟弱な発想でした。


黒123から取りかけに行ったのは、ノリで・・・。

思いのほかあっさりと白150まで生きられ、さすがに形勢を損ねました。

てへっ、やりすぎちゃった。


■2局目 木下暢暁さん


私の白番です。



棋譜再生


200手完 白中押し勝ち


白26はなんとなく思い付きで・・・あんまりよくなかったですね。

白40、42は予定の行動(?)。あー、成算が立たない戦いってきもちいいー。


序盤でつぶれても文句は言えないほどの乱暴を働きましたが、黒77まで意外となんとかサバけました。


白82も予定の行動その2(?)。

まぁこういうところは、利き筋を残してどっかつけるってもんでしょ。


局後の検討では、黒に正しく打たれるとけっこう危ない図もありましたが、実戦は白がサバきました。


黒115はケアレスミス。左の黒は本来セキで生きるところでしたが、誤ってコウになってしまいました。

さすがにこのミスは痛く、黒も必死で抵抗するものの、最後は左辺の黒が死んでしまいました。

右辺の白もなかなか全滅する形ではなく、黒の投了もやむなしです。


ふわー、2回も記事が消えたので、えらい時間になってもうた。

他にもネタがあったけど、今日はここまで。