こんばんは。

少々、仕事でばたついていて、更新が遅れました。


名人戦七番勝負の第1局が、8月31日~9月1日にかけて東京・椿山荘で行われましたね。

7月の記事 のとおり、友人の結婚式で椿山荘にはこの前行きました。

とても良いところでした。ハクリューがいましたから。


私は、基本的には井山くんを応援しています。

彼が小学生時代、おそらく私の背中を見て成長した であろうことは想像に難くない、といえるのもありますが、どんどん実績を作って、そのまま周囲も制止できないほどにわがままな人間に育ってほしいなぁ、なんて。

藤沢秀行先生も、若い頃はすごくまじめだったと聞いていますから、井山くんもどこかでタガが外れて欲しいと願ってやみません。

とりあえず、名誉七冠かな。


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前の記事の続きです。


■決勝


私の白番です。



棋譜再生


189手完 黒時間切れ勝ち


白12~18までの定石は、昔は黒が好きだったんですが、最近は白の方が好きになりました。

ただ、いつも白18と3間にひらくときに「もう一路広くひらけないかな・・・」葛藤しちゃいます。


黒19と打たれ、小考して白20と手広く打ってみました。

対局中は、黒21を誘って白22にコスみ、左上の構えとの連携で一局打ってみよう、の気持ちでした。

ただ、冷静になってみると以下の図くらいでしたかね。


図1 予想進行



白1と右下の黒にプレッシャーを与え、黒が正面衝突をかわした図です。

一例ですが、これなら白も厚かったかな~。

好みが分かれそうな局面(黒地が多い)になりますけどね。


白28はこのタイミングかな?と思ってとりあえずツケ、黒29を見てから、白30のオキをひらめきました。

黒31には白32のワリコミを用意しています。

黒35では、5-十六と白1子をポン抜くところかと思いましたが、伸びれば白38まではこうなるところ。

感覚的には、わずかに白が立ち回った感覚でした。


図2-1 手割りで考える①



黒27が打たれた局面で、白1とコスミつける形はあるところです。

これに手を抜いて(!)黒2と打ち、白3~黒8と進行したとすれば、黒も大場を打っていますが、白も下辺の白が大いに強化されたので、ぼちぼちと見ます。


図2-2 手割りで考える②



図2-1にさらに白1~黒4を加えました。

これで、実戦の黒39までと同じ形が再現されました。

白1~黒4は持ち込みのようでもありますが、白からはA、B、Cと3種類の利きを選択でき、捨て方に幅ができているので、必ずしも単純な損とは言えない、とみます。

(でも、損する可能性もそれなりにあるので、腕の見せ所)


右下の三々も大きいですが、白も右上の黒に寄り付く楽しみがあり、流れはそう悪くないと感じていました。


黒41の後、さらに小考し白42、44とツケオサエを選択しました。

徐々に黒の根拠を奪いながら、じっくり締め上げる展開を目指します。


黒49と一回上から当ててから、黒51とつなぎました。


図3 単につなぐと・・・?



黒49で単に黒51のところにつなぐのが、普通の発想かもしれません。

しかし、このときは△の白石を見捨て、白2に押さえる予定でした。

黒3とかかえれば△の白石は取れますが、白4と構えて黒の全体にまだ照準をあわせます。

AやBに急所が残っており、まだこの黒の眼形ははっきりしていません。

これを嫌い、白△を簡単に捨てられないように重くしたのが黒49の意図でした。


黒53とツケて黒も反撃しかけましたが、白54と外からハネ返すのが石の形です。


図4 黒、初志貫徹したいが・・・



黒55では、本図黒1とヒキたいのはやまやまですが、白2とノビきられます。

黒3の切りは、白4~6と後ろから出られて、右上の黒に悪影響を及ぼすため、打てません。


そこで、黒55のキリチガエから黒59まで上辺を渡りました。

ここまで、少しずつ白の力を蓄えることができ、個人的な好みにはあっていたのですが・・・。


白60のカカエが、いわゆる「厚がりすぎ*」でした。

*厚い手が好ましいと感じすぎて、必要以上に力を蓄えすぎること


黒61が良い見当で、黒63まで右下の白にプレッシャーを与えられ、ここで力関係が交代してしまいました。

白68も消極的すぎたかもしれませんが、右下の白を単純に中央に脱出させるのも、右辺の力関係が黒白どちらが強いかわからないほどの状況になってしまっているので、見通しが立たないとみて長い勝負に持ち込みます。


そもそも、白60のカカエは上辺のヨセに関係していました。


図5 上辺の黒地に手あり



白△と打ってあった場合、右上の白1のオサエがすごく大きくなります。

その際、黒2~白6と両先手のヨセを黒は打ちたくなるところです。

しかし、この先手ヨセ打った後に黒6などと手を抜くと、上辺の黒地に手段を発生させることになります。

白7の急所オキから白8とハネだし、すべて黒が抵抗すると白15まで上辺の攻め合いは白勝ちになります。

この変化の時、黒16と中央脱出を図っても、白17とハネることができる・・・というのが白△の意図の1つでした。


しかし、これはごく部分的な話でしかなく・・・。


図6 見合いの大場

白1が20目相当の大場でありますが、ほぼ同等程度の価値をもつ大場として、左辺が残されていました。

したがって、白60と打つことで白1の価値をあげた、というのは部分的な考え方としては間違っていませんが、全局的には見合いの大場が残されているので、それほど効力のある方針にはなりえませんでした。

右辺を黒61と簡単に割られてしまった罪の方が、大きい。


図7-1 右辺を構える



白60では右辺を白1と構えるべきでした。

しかし、対局時は黒2とハネられたらどうしようか・・・というのが悩みでした。白3と切っても、黒4とつながれては、中央の黒3子をうまく攻める展開が見えない・・・と。


図7-2 すでにタネ石でない



しかし、よく考えれば、黒2に対しては白3と中央から切り、白5~黒8まで捨ててしまえば良いではないか、と気づきました。

すでに上辺の黒は左上と連絡して生きているので、中央の白3子はすでにタネ石ではありません。

白9~13などと足早に大場に回ることができれば、地合いは急接近します。


この図7-2の展開を思い描けなかったために、局面で大いに後れを取りました。



この後、時間も相手より消費してしまっている中でなんとかまぎれを起こそうと奮闘しますが、黒99以降の戦いで下辺の白が取られ、中央に大きな白地がつかなくなり、黒119まで非勢がはっきりしました。


黒189の時に白の時間が切れましたが、この後打ち続けても、黒は盤面13~4目程度は良いでしょう。


私は、どうも相手に実利で先行されるパターンが多いので、これをどう差を詰めていくか、ということに苦心する中で時間を消費することが多いですね。

ちょっと、先行逃げ切りパターンの碁も慣れておいた方がいいかなぁ。


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さて、アマ名人、アマ本因坊、世界アマと今年の3大アマ棋戦とも敗退してしまい、あとは宝酒造杯他の棋戦ですね。

これまで、3大アマ棋戦以外にはほとんど出たことがなかったのですが、今年は食わず嫌いせずに貪欲に戦ってみようと思いますので、なんとか公式戦は年間3敗までに留めたいものです。(もう負けられない・・・)


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