こんばんは。


第9回宝酒造杯 東京大会の名人戦に出てきました。

前身の協和発酵杯に遡っても出たことがなく、今回初参加です。


日本棋院に到着し、あたりを見回してみると・・・アマ名人東京都予選のベスト4が1人、ベスト8が2人はいるなぁ。

うーん、これはなかなか大変そうじゃわい。


試合形式は、各40分の持ち時間で切れ負け。名人戦参加者は40名程度で、最大5局打つようです。


■1局目


私が黒番です。



棋譜再生


序盤、白28が微妙な位置取り。

これを悪手にしたいなぁ、ということで黒35と臨んでみました。

これ、目標は15-Eに押させることです。


白36と手抜きをされたのは予想外でしたが、黒37から手を付けていって、結果として白44,46、52と押しを打たせることに成功したので、この時点ではいける手ごたえでした。


黒55は注目の打ち込みでしたが、ちょっと事前準備すべきだったか・・・


図1 事前準備

上辺で戦いになったときに、こういうところが決まっていると、援軍になったり、シチョウアタリになったり、いいことがあったかも。


黒63はやりすぎました。いろいろ変化はありそうで難しいんですが、少なくとも実戦は白86まで空振り・・・。

右辺の白への攻め具合、次第という感じになってしまいました。


黒87から攻めを継続。この折衝で、白102がやや不注意でした。


図2 丁寧な受け

というのは、この図2の白1、黒2を交換しなかったので、黒103が厳しかった。

白106で右辺の黒の形もなにかアヤシゲなのですが、黒107でギリギリ耐えているようです。

このあたりで、白に時間が無くなってきて、もう少し実戦よりは良い図があったのですが、対応を誤ってしまいました。

最終的には右辺の白が頓死しました。



■2局目


私が白番です。




棋譜再生


黒29はちょっとぬるかったのではないかな?と思いました。

白36に飛ぶことができて、一息ついた感じ。

第一勘は、6-Fにツケると思うんやが・・・。


黒43~黒47や、黒49~白52までの交換はそれぞれありがたかった。

右下の白がはっきりと生き、右辺の黒が弱石と化したので、白62の打ち込みが相当厳しそうになりました。

黒63から簡明に渡ってきましたが、白68までつきぬいて、不満なしと見ています。(もっと追及できたかな??)


白72から新たな戦い。

黒75とケイマにしてきたので、こいつをどうにかして咎めたいな・・・ということでひねり出したのが白76のツケ。

こちらにもたれながら、上辺の白を先手で強化しよう、という目論見です。


実戦、白78、80と少し強化されたので、満を持して白82のツケコシを決行。

このあたり、自信ありでした。


黒89からの策動も、振り替わって問題ない・・・はずでしたが、黒99のノゾキに白100とアテたのがかなり悪かった。

黒103から一気に押されて、急に中央の雰囲気が黒っぽくなってしまいました。

この時点、形勢がだいぶ接近してきている感じであせります。


白114、116とやや中央の黒を薄くさせつつ、白118から上辺を動き出します。


白146は単にヨセとしても大きいところですが、狙いを秘めた手。

黒147は、ややソッポでした。


白148から手順を尽くして、左辺と中央を切断。

左辺は黒161まで生きましたが、白166まで中央の黒が危険になり、相手の持ち時間もほとんどなくなったところで投了となりました。

なお、形勢には関わらないのですが、投了後の図から、一応中央の黒は連絡はしています。


図3 連絡・・・黒7が好手


■3局目


私が白番です。

関西からやってきたおじさんで、ケーシー高峰みたいな人。

関西囲碁サークル「NODIC」でも打ったことがありました。




棋譜再生


白24、26は趣向。黒13の位置が中途半端にさせられたかな?と思っていましたが・・・。


黒41はちょっと筋違いの手(微妙な話なので説明省略)だったんですが、白42~44が価値の小さいところを打ってしまいました。

黒47が大きい・・・。

下辺の黒への寄り付きを見ていたのですが、黒49、白50で間に合わされて、たいした手がありませんでした。


黒51は盲点でした。C-10につなぎたい、つなぎたい、が・・・。

危ない。ここは妥協。


黒57から65まで、淡泊に打たれて形勢が芳しくないような気がしました。

数分熟考し、勇躍、白66のツケ。

ここも変化がいろいろあって複雑ですが、実戦74までとなれば良い稼ぎと見ることができます。


黒77は気軽に利かしに行きましたが、白78から簡単には終わらせないぞ、としつこくからんでいきます。

白90まで、あまり黒が得をしていないでしょう。


この後、ヨセ合いが続きましたが、白106に手を抜いてきたので、白112と突入しました。

これを遮るとどうなるか、図4です。


図4 白反撃

ちょうど、白106が連絡する助けになっています。


遮れないとみて黒113と妥協しましたが、白114から左上の黒を追求し、白120が痛打。

白122まで渡っては、ヨセとしても大きいだけにとどまらず、黒の全体の眼形が乏しいとあって、投了もやむなしでした。



3局終わって、3連勝が5人。今日は全勝が2名出るらしいので、どう決めるのかな・・・?と思っていたら、くじ(トランプ)を引くことになりました。

エース・・・これはいったい??


つまり、こういうことでした。



ぬおう、くじ運わるっ!

そして、私が最年長。宝酒造杯って20歳以上限定なのに、他の4人はみんな20代。

ずるいや。



■第4局


私の黒番です。



棋譜再生


白18の時に小考。普通は図5の形でシチョウが悪いので、4-Gに伸びるくらいですが・・・


図5 黒シチョウ悪し

ここで、こんな風に打ってみたらどうかな?と考えていました。


図5-2 当初構想

名づけて「どさくさにまぎれてシチョウ良くなってるよ」大作戦を決行しよう、かなと。


で、まったくわけのわからない戦いに持ち込もうかと思っていたんですが、ふと相手のつぶやきが耳に入りました。

「なるほど・・・やってくるのか・・・」というような(意訳)。


それを聞いて「あれ?2線をどんどん這っていくもあるのか??」と考え直し、実戦の進行へ。

でも、あんまりよくなかったです。やっぱり当初構想通り打つべきでした。


白38や白44は別の打ち方がある分岐点でしたが、相手が自重しています。


白50は、ありがたかった。黒51と頭を出すことができて、ここまで苦しい進行と感じていましたが、一息つくことができた気分です。


右辺の戦い、黒59からなんだか面白い進行に。

白がダンゴ石みたいになっていて、黒の私としては気分が良かったのですけどね。


白92から、最後の戦い。

注目すべきは、ここの戦いでどちらが先手を取って、最後の上辺の大場に先着できるか、ということです。


すったもんだがありましたが、黒117と待望の上辺にまわることができ、左上の白にプレッシャーを与えます。

黒127まで、上辺を黒地化できて、優勢を意識しました。


このあと、お互い時間が数分しかない中でのヨセ合いだったので、お互い間違えながらの進行ではありましたが、最終的には黒6目半勝ちでした。


■第5局


私の白番です。




棋譜再生


白22は悩みましたが、隅に寄せてみました。

ここで相手も趣向で黒23、25となかなか斬新な打ち進め方。

このあたり、1手1手が読み合いです。


黒37、39というコンビネーションがどうだったか。

黒43と切れますが、白44、46が良い手で、白48まで何事もなく右辺の白は生きています。

それも、14-Sの押さえは後手なので、ちょっと黒が空振り気味。


白52、54と戦いのさなかでも、いろいろと変化球を織り交ぜながら。

黒は、細かいところでミスをしているようです。


黒63はやりすぎでしょう。

白70が痛いところで、右辺の黒を取られないようにするには、黒71とこちらから受けざるを得ません。

しかし、全体の眼があぶなく、白74に下辺を受けることができないため、白76~84と戦果をあげて、優勢になりました。


黒93、95と目いっぱい左上を囲ってきて、最後の勝負所。

相手の持ち時間が少なくなってきたこともあり、白96から左上を荒らしにいき、一気に勝負を決める作戦です。


が、黒105と相手もくらいついてくる。黒は中央の白の一団をも、横目で狙っています。

黒113と分断された後、わけのわからない戦いになり、左上の白も相当危なくなりましたが、最終的には黒の中央の形に不備があり、中央の黒が逆に召し取られて、中押し勝ちとなりました。



で、なんとか全勝できました。


ただ、今日の全勝者2名と、昨日も同じく宝酒造杯をやっていて、そちらの全勝者は1名ということで、2日間の全勝者3名で全国大会出場決定戦を来週日曜日(15日)に行うとのことでした。

なんと、そういうシステムだったのか・・・初めてだから、知らんかったよ。

予定入れちゃってたけど、キャンセル、キャンセル。


まだ、ここから最大2回勝たないと代表になれないんだ・・・なかなか遠いな~。




以下、2つのクラウドファンディングを応援しています。


第1回13路盤プロアマトーナメント戦

囲碁のまち岩手県大船渡に囲碁神社を創設し、復興を目指したい!