こんばんは。
井山くんが七冠になりましたね。
そりゃー、すごいことだ。これはとてつもないことなんです。
私のような囲碁にほとんどの情熱と時間を費やした人間、そして日本国中の棋士たちが、それ相応のリソースを傾けてなお、彼が唯一の勝者になっているということは、尋常ではないことです。
私は井山くんが七冠を達成するのを待っていました。
でも、それは単純に七冠を達成する瞬間を見たい、ということではありませんでした。
これから私が書くことは、ややもすると常軌を逸していることです。
囲碁界の現状や、スポンサーとの関係性を鑑みれば、無理筋であることは百も承知です。
あるいは、お祝いムードに水を差すかもしれない、ということも考えました。
ただ、あくまでも一ファンとして、どうしても言いたい。今以外には、言うタイミングもないし。
井山くん、タイトルを返上して、世界戦に集中してくれ。
七冠を維持したまま、世界戦に出ることはできないよ。人間が持っている時間は有限だ。
このまま日本国内で戦っていたら、君は数年して打ち盛りを過ぎ、世界の最前線で戦えなくなるのは時間の問題だ。
本当に世界の舞台で戦いたい、成長したいというなら、時間と体力が必要だ。
それには、何かを捨てないと、新しいことを手に入れるのはほとんど不可能だよ。
ボクシングの世界で、別の階級に挑戦するために、チャンピオンベルトを返上することはよくあります。
また、日本男子ゴルフ界でも、松山英樹が国内シード権を捨て、米ツアーに専念するという判断を下した時も、制裁金やシード権の停止といった措置が取られ、物議をかもしました。
他の業界に例を求めなくても、イ・セドルだって韓国棋院ともめていた(詳しくないけど)ことがあります。
善悪はともかく、一介のプレイヤー、特にトッププレイヤーが我を通すことの軋轢というのは、稀にあることのようです。
私が井山くんに不満があるとすれば、建て前を言っているというか、奥歯にものが挟まっているような物言いが多いことです。
七冠達成後の記者会見記事 を見ると、以下のようなことが書いてありました。
『-対コンピューターへの興味は。
「人工知能ですけど、AlphaGo(ソフト)と李セドル(韓国)さんとの対戦は興味深く見させていただきまして、新たな囲碁の魅力というか、人間にはないというか、少し違う発想も感じましたので、AlphaGoとかコンピューターということではなく、棋士としては強い相手と戦いたいというのは自然にわき上がってくるものですので、どういうものかというのを体感してみたいというのは純粋にはありますけど、あまり言ってしまうとちょっとアレなところもあるので…(笑)』
何がちょっとアレやねん。わかるけど、わからんわ。
言いたいことがあっても言えない事情があるなら、そんなそぶりはハナから出すなや!
人間、だれしも立場というものに縛られるのはしょうがないことです。
だからこそ、それを打ち破ってほしいと思うのは、一種のロマンでもあり、爽快なことなんですけどね。
でもな、他の競技と違うのは、賞金だけで言えば、世界に挑んでもステップアップしないんだよねぇ・・・。
まぁ、井山くんも身軽になったんだし、乾坤一擲の大博打を期待しています!
がんばれ井山くん!
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