被害を受けた岸壁は広範囲におよぶので

工区を分けて数社の大手ゼネコンがそれぞれの復旧を担当します。

製鋼所にほぼ常駐しているT君の応援で○○組のレール基礎の部品と

親父殿が亡くなるまで勤めていた□□建設工業のレール基礎の部品を

休日返上の残業しまくりで製作しました


レール基礎は 2列にH鋼をコンクリートに埋め込んで、コンクリ上面に露出させた

フランジ面にレールを置いて金具を溶接してボルト止めするものです


H400×400に鉄筋の通る穴Φ30mmを300mmピッチと

コンクリを隙間なく充填するための空気穴Φ20mmを500mmピッチに

3軸同時に穴開けできるドリルマシンで 数百メートル分の穴開けまくり


南面岸壁を担当する○○組と東岸壁の□□建設工業とは工程がずれていたため

東岸壁と南岸壁を、行ったり来たりしながらも

両社とも加工と設置を終わらせることができました。


その後 神戸 長田港の岸壁復旧工事で 

数百メートル分の鉄板型枠を現場で製作

10m×10mくらいの型枠を海中に吊り込み ダイバーが設置して

水中コンクリートを打設して 崩れたケーソンを補強する

真夏の炎天下での鉄板の上の作業は、長靴の底が

とろけるほどでした。


淡路 育波漁港で 倒壊した荷揚げとセリ場の鉄骨新築


その他 神戸市内で住宅や事務所ビル 小規模の工場の新築や

復旧 補強の工事にいきました










震災は各企業にも大きな被害をもたらしました。


神戸製鋼所では 本社ビルが倒壊し、神戸製鉄所は岸壁が壊滅

自動車用バルブスプリングの世界シェア60%を生み出す高炉が停止

生産途中のまま緊急停止すれば、溶けた原料が冷え固まり廃炉になります。

世界中の自動車生産に影響がでます

高炉の復旧については NHKの プロジェクトX でも放送されました。


 
加古川製鉄所では高炉や製鋼設備の被害は軽微でしたが

原料の 荷受け 出荷 をする岸壁は甚大な被害が・・・・


何機もあった巨大なガントリークレーンは 横倒しになったり

海に突っ伏して突っ込んでたり クレーン運転手の何人かは犠牲になったとか

岸壁はケーソンが崩れて地面は波打ち 亀裂まみれ

ガントリークレーンが走行していたレール基礎はズダボロ


製鉄所の敷地にストックしている原料では、すぐに底を尽きます

生産の要の高炉は1度止めると 再開には膨大な費用がかかります

生産調整しながら、生き残った わずかなクレーンで細々と原料を供給しながらの 

時間稼ぎをして突貫作業で岸壁を復旧します


岸壁には数隻のクレーン台船が係留され

スクラップと化したガントリークレーンを解体し

矢板を打ち込んでコンクリートを流し込み傾いたケーソンを補強 

補強工事をしている間に工場でクレーン基礎の部品を作りました











地震の日の翌日には 神戸市内に入る車両の通行規制が始まりました


消防車などの緊急車両 災害派遣の自衛隊 

救援物資を積んだトラックが速やかに入れるように。


消防車や救急車 警察車両は隣県だけでなく 関東 東海 北陸 四国 東北

中国 九州 いろんな地域のナンバープレートを見ました。


週に1,2回 避難所の親類に物資を届けていました

そのうち 手書きで 「救援物資運搬中」 の看板を張り付けた小型トラックも

見かけるようになりました が 規制の警察官と押し問答する場面も・・・


親類に聞いた話だと

夜間に 半壊の家屋に浸入して家電などを盗んでいくのが横行してる

交代で留守番というか 見張りしてる


そのうち テレビに映る避難所には救援物資が余るくらい届くのに

小さな避難所には まったく届いてない という事態も起こり始める


着の身着のまま非難した人がほとんどなので 衣類は有難いですが

ウェス用になった下着が何箱も届いた  ということも


どうなってるんだか?















 祖父宅に到着した時には いとこ兄夫婦が作業中でした

トラックから飲料水 食料 コンロ 日用品などを積み替えて

母上といとこ嫁は、各避難所にいる親類を訪ねて回りました。


その間に掘り出し作業を続行します。

動くものはそのまま動かし、梁であっただろう木材をバールや

ジャッキで隙間をこじ開けて 柱であった角材を適当な長さで

チェーンソーで切断して隙間を保持して奥へ進みました。

 

震度2程度の余震は頻繁にありました。

たまに起きる 震度4や5クラスの余震が怖かった

潜っているさいちゅうに下敷きになるのはシャレになりません。


余震にビクビクしながら、何とか貴重品を探し出して 避難所の小学校へ

改めて見る避難所は

校庭で着の身着のまま避難してきた人が一斗缶で焚火してたり

ダンボールで仕切ったスペースで毛布にくるまってたり

プールからバケツリレーしてトイレ用の水を運んでたり


ガス 水道 電気 すべてが使えないなんて考えたことありませんでした。








1月17日の夜 ニュースで地震の被害を伝えるいっぽう
 
 
「○○銀行○○支店で金庫をこじ開け□億円の窃盗被害」
 
「□□区の宝飾品で△△△万円相当の盗難事件」
 
 
実際に 破壊された自動販売機や 商品がまるっきり持ち去られたコンビニを
 
見て 翌日 祖父宅に貴重品を回収しに行くことになった
 
 
クーラーボックスにおにぎりやパン すぐに食べれる食品を詰め込み
 
日持ちする食品や缶詰 ペットボトルの飲料水 毛布 衣類 工場と自宅にあった
 
カセットコンロとそれ用のガス 小さいプロパンガスボンベ コンロその他日用品
 
ジャッキや電動チェーンソー 丸鋸 発電機 バール 
 
その他工具をトラックに積み込んで出発
 
飲料水用のポリタンクは行く途中に買えばイイか・・・・
 
(工場にあるのは燃料用だけ)
 
 
立ち寄るホームセンターや金物屋では ポリタンクや水筒 現場に置くような
 
オレンジ色の水タンクまですべて売り切れ
 
クーラーボックス カセットコンロ バーベキューコンロ 木炭はもちろん
 
スコップやバール その他道具類
 
ブルーシートや防炎シートなどシート類 土嚢袋 ロープの類も売り切れ
 
それらの品薄状態は2週間ほど続くことになるのでした。
 
 
神戸に近づくにつれ 屋根にブルーシートが被った住宅が激増してきました。
 
 
後に聞いた話だと
 
「ブルーシート1枚で5万円取られた」
 
「1時間ほどで 50万円 3人でけでやってやで」
 
 
ヒドイことする奴もいるもんだ