押野さん「上れる、上れない、下りられる、下りられないの判断ができるのが盲導犬の良いところですかね。では三つ目、今度は障害物。ぶつかると危ないものを考えていこうと思うのですが基本的な考え方は一緒です。私達は目が見えません。景色を見て判断が出来ない分まっすぐ進んで『ストレートゴー!』という指示しか出せません。であとはローザに渡ってもらいましょう。」


後藤さん「はい、今日は黄色のコーンが4つ置いてありますがこの黄色コーンに向って進んでいきます。『ローザ、ストレートゴー!』


後藤さん「まっすぐ進んで右の方へ行きました。」


後藤さん「急に左に向きが変わっていきます」

後藤さん「物があったからよけてくれていたんです。ちょっとこんなことをやってみます。『ローザ、カム』」


後藤さん「何事もなく通ってきてしまいました。通れるんです。」


後藤さん「通れるのによけて行く。なぜよけていたか、正しく判断出来ていたのか確認する為に障害物ちょっと変えてみます。すごい通りやすくなった気がします『カム!』」

後藤さん「『カムー!』」

後藤さん「自由に通れるそうです。通りたい放題ですが、通れそうな場所は全部で三箇所、通れる可能性があるのは全部で三箇所です。まず一つ目がここ。左側通行なので左側を通っていく」


後藤さん「そして2つ目がここ。無理に左端にそんなにギリギリまでよる必要ないんじゃないかという判断をするということでここという選択肢もでてきます。」


後藤さん「そして通れそうな道三つ目ここ。ちょっと遠回りになるかもしれないけど物があるならとにかくよけてしまおう!そんな判断をすればここという選択肢もできます。さぁそんな選択肢が三つ程あるのでクイズにしてみようかなと思います。」


後藤さん「①番がここ」

後藤さん「②番がここ」

後藤さん「③番がここ」
後藤さん「押野さんに状況が分かるように拍手で答えてもらいたいと思います。①番ココを通ると思う方拍手👏 結構いますね。②番ココを通ると思う方拍手👏 結構自信なそうですね。
③番ココを通ると思う方拍手👏 ③番が一番多いですね。さぁやってみます。」


後藤さん「先ほどと同じように"まっすぐ進んで"という指示しかしません。さぁどおなるか‼『ローザ、ストレートゴー!』」


押野さん「さぁ答えは?」


後藤さん「全く迷わず②番です。②番が一番人数が少なく、しかも自信が無かったようでしたが②番でした。なぜ②番なのか、判断をしていたのはなんです。①番でも通れるじゃんと思うかもしれませんがハーネスを持ってしまうと人が常に並んだ状態になる。」

後藤さん「この状態でまっすぐ(①番)に行こうとするとローザだけなら通れますが私が引っかかってしまう。そんな幅だったんです。」



後藤さん「では②番はどうかというとあまり余裕がないかもしれませんが人と犬が並んで通れる幅がある。だからココを通ったんです。」

後藤さん「じゃあ③番のが安全でしょ。と思う方いるかもですが確かに幅だけ考えるなら③番が安全です。右側広く空いてます。」

後藤さん「でも大きく動くより無駄によけるということで他の危険に近づく恐れがあるということです。人と犬が並んで歩ける幅を考えながらなるべく無駄によけないところを選んで歩いてくれるということです。」


押野さん「これたけじゃまだ足りないんです。」


後藤さん「厄介な障害物が出てきます。」

押野さん「盲導犬と歩く上で犬たちに教えておかなければいけないことがあります。」


後藤さん「高いところにある障害物です。
目が見えない見えにくい人は街を歩くときに使うこんな物があります。白状(はくじょう)という言い方をしていますが杖です。道路交通法で定められております。目が見えない方、または目が見えないものに通ずるものが道路を通行するときは定められてる杖を携えるか盲導犬を連れて歩かなければならないっていうものがありますが道路交通法で白または黄色というふうに定められています。でも白が一般的で黄色というのは雪の中などで見にくい、白とかだと見にくいということで認められてはいますがほぼありません。ほぼ白です。」



後藤さん「体の前で動かすことで障害物が無いかとか地面があるかとか確認しながら歩きます!障害物がありました。さぁどこか通れるところがないかなぁと杖で確認をしながら進んでいきます。」



後藤さん「こんな高いところの障害物だとこうなります。」


後藤さん「あれれ?ぶつかってしまいました。白い杖が障害物の下をくぐり抜けてしまうと。
そういった障害物だと気がつくことが出来ません。」


後藤さん「盲導犬と歩きたい‼と言われる理由にはこんな理由もあったんです。さぁどうなるか!『ローザ、ストレートゴー!』」


後藤さん「右の方に行きます。真っ直ぐって言ったはずなのに(汗)」




後藤さん「もう一回やります!
今度はちょっとズラしてみます。『ローザ、ストレートゴー!』」

後藤さん「場所も変わって角度も変わったのに確実にぶつからずに行くことが出来ました。
しかもギリギリで通れたということこれも見ていたからなんです‼」

後藤さん「こんなふうにすることで安全にスムーズに歩いていけるようになるという盲導犬の基本のお仕事でした。」



押野さん「白い杖と盲導犬の違いででるところのひとつなんですが、ショッピング・センターのエスカレーターって結構通路の真ん中にあること多くありませんか?そういう離れた場所に行きたいと思ったとき近くに点字ブロックっていうブロックが無いとどうしてもものをよけながら探すという二つの作業を同時にするのは大変なことなんです。実際にわかりやすいように歩き比べてみたいと思います。」
 

 

後藤さん「真面目に見えてない人が全くわからない状況で突っ込んでいくとどうなるか。やってみたいと思います。黄色のコーンは完全に適当です。その日の気分です(笑)」


押野さん「はい、打ち合わせしないで毎回これするんで怖いです。」


後藤さん「押野さんもうちょっと前。スタートここだよ。」



押野さん「私の知っていることはただひとつ右前方に階段があるということだけです。最初はいいです。こうやって壁に沿って歩いていけばいいんですけどだんだんわからなくなって言葉も減っていきます^^;」



後藤さん「押野さんだいぶ悩んでますねぇ。さぁローザ行っちゃおうか。『ローザ、ストレートゴー!』」






後藤さん「抜かしちゃいましたね。」
押野さん「抜かされましたね。」



後藤さん「ちょっと時間があるので『ローザ、チェアー、チェアーグッド‼』」




後藤さん「こんなに障害物があるわけないでしょ。って思われるかもですけどこれは人間なんです。歩いている人。止まっている人。街の中には人がたくさんいる。そんな中階段を探しているときに白い杖とかだと杖が人に当たってしまう。そんな問題がでてきます。」



後藤さん「盲導犬となら見て判断してくれてぶつかることもなくスムーズにたどり着けるので安心して出かけられるようになった。ということもあるんです。こんなふうに目の見えないに、見えにくい人がスムーズに安全に出かけていけるようにする、行動範囲を広げてくれるのが盲導犬のお仕事でした。」


押野さん「ですから杖と盲導犬と比べていて私が一番実感するのは目的地にたどり着くまでの所要時間です。見ていただいて分かるように杖は何かあったときにすぐに立ち止まれる安全な速度で歩かなきゃいけないので、私の家から駅で800メートルしかないのに杖を使って歩くと50分かかります。でも今バンと一緒に歩くと今朝の通勤だと家から駅までその時間12分32秒でした。盲導犬がいないと生活が成り立たないくらいそれくらい大きな存在であると思います。どうしても盲導犬といても出来ないこともあります。犬たちは色の判別はできないとので道路を渡る時に私達は信号あるなしに関わらず車の音で確認しています。皆さんに是非お願いがあります。盲導犬を見かけたとき犬に対してはお仕事を妨げ無いようにしてほしので犬には触ったり声をかけたりっていう犬の気をひくようなことはしないで下さい。でも盲導犬がいるってことは必ず目の見えない、見えにくい人がいます。人の方に少しだけ注意をむけていただいて私達が困っていないかどうか、そして安全に歩けているかどうか少しだけ確認のお手伝いをしていただけると助かります。道路を渡ろうとしているとき犬ではなく私達の方に"信号赤ですよ""青ですよ"っていうような声をかけていただくこともすごくありがたいことですので是非盲導犬と歩いてる人や白い杖をついて歩いてる人を見かけたときにはそれぞれに注意をしていただけると助かります。是非宜しくお願いします。」