妄想劇場 ~なないろの図書喫茶③~ | 気まぐれバードのキマグレコ

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男性大学生は、ふと疑問に思ったことを店員に訊ねてみました。


男性大学生「すみません、1つ聞いてもいいですか?」

店員「はい、何でしょう。」

男性大学生「ここの喫茶の本は、一体どういったものですか?」


店員「それは、本は“かがみ”みたいなものと、申しますか。今のこころを表す本です。ですから、怒っているときは、怒りを表す内容になり、嬉しいときは嬉しさを表す内容が本に出てくるのです。」


男性大学生「なるほど。でも、来る人みんなスッキリして帰るのだろうか。」


店員「私が見てきた限りでは、皆さんスッキリした顔で帰られてますよ。
本の内容に共感し、また、教えられたり。
私も実は以前は、ここへ客として来たことがありまして。どうしても、ここで働きたいと申し出て、今こうやって働かせて頂いてます。」


男性大学生「貴重な話、聞かせていただいて、ありがとうございました。
また、寄らせてもらいます。」


店員「お待ちしております。ご利用ありがとうございました。」




なないろの図書喫茶は、この街のみんなのこころにサプリメントのような、そんなようなものを与えているのかもしれません。


ストレスの多い世の中、誰もが癒される場所があれば、いいですね。


-完-





※この物語はフィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。