次の日、いよいよ3周年記念日がやってきました。飛空艇の従業員も、リーダーのネイルを始め、オーディエンとハイドロの2人の整備士まで、今日は総出です。
オーナーのヤークは、お店の方があるので、飛空艇には乗れません。
オーナー、飛空艇のリーダーのネイル、整備士、運転手、お店のコック長と、みんなで早朝から今日の打ち合わせをしていました。
オーナーは、お店でも飛空艇でもと、あるものを用意しているそうです。
今夜の8時に、“それ”を披露するらしいです。
今日は記念日ですが、何時もは昼も営業していますが、今日は夕方のみにするとお店では予め、お知らせをしていました。
会議後、お店のコック長とネイルは、それぞれ今日のための特別メニューの仕込みに入り、整備士のオーディエンとハイドロは飛空艇の整備に、他のスタッフもそれぞれの持ち場の打ち合わせで、忙しくしていました。
そして、夕方5時ごろになり、いよいよお店が開店になりました。お店の前にはすでに、長蛇の列が出来ていました。
開店と同時に、飛空艇も飛びたちました。
ネイル「本日は、空飛ぶレストランへお越しいただき、まことにありがとうございます。
今日は特別な日、当店の3周年記念日、ということで、ここにいるお客様のみということに、させていただいています。今日が予約になっていた皆さまには、予め確認をさせていただき、皆さまの了承を得まして、今日はロングフライト、という予定になっております。皆さま、今日はごゆっくりお楽しみくださいませ。」
挨拶が終わると、ウェイターとウェイトレスが、テーブルに前菜から順に運んできました。
そして、メインディッシュは
ネイル「今年のメインディッシュは、鶏の姿揚げです。去年は、鶏の酒蒸しでしたが、今年は姿揚げにさせていただきました。今回は、特別に4種類のソースをご用意させていただきました。」
ソースは、ピリリと辛いもの、甘酸っぱいもの、少し塩気のあるもの、少しコッテリしたもの、どれも空飛ぶレストランオリジナルです。
お客様は、料理に舌鼓をうち、満足そうでした。
最後に、デザートが出てきました。
ネイル「今回は、店自体が3周年ということで、こんなものを作ってみました。」
とネイルの挨拶が終わると、ウェイターとウェイトレスが運んできたものは、お店と飛空艇の形を型どったケーキでした。
お客様一同は、拍手喝采です。
ネイルは、それを切り分け、お客様に振る舞いました。
辺りは、すっかり暗くなっており、各テーブルにはキャンドルライトが、灯されました。
そして、各テーブルに予めお聞きしていた、飲み物をウェイターとウェイトレスが、運んでいきました。
そして、8時になったころ。飛空艇は丁度、お店の上空あたりに、差し掛かりました。そのときです!
「ヒューーー、パアァーーーン!」
花火が上がりました。
次々と花火が上がり、お客様は大盛り上がりです。
それには、こういう理由がありました。
3・し・ゅ・う・ね・ん・あ・り・が・と・う
と、順に花火文字が上がったからです。
オーナーの考えていた企画とは、花火でした。
これで無事、3周年記念日が終わりました。
※この物語はフィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。