妄想劇場 ~ぺぺの予言書番外編 ぺぺの恋②~ | 気まぐれバードのキマグレコ

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村に邪悪なものたちが、襲ってきました。
ぺぺは、サーラを始めみんなに逃げるように言い、邪悪なものたちと戦いました。しかし、コテンパンにやられてしまいました。
その時です。邪悪なものたちの後ろから、無数の火の矢が飛んできました。
アロクです。
ぺぺは、こころの中で


「恋敵(ライバル)が、現れたか。とられてなるものか。」


と、アロクにライバル意識を、燃やしていました。


しかし、アロクはサーラには、何の意識もありません。
ただ、目的が一緒の仲間だと。
ぺぺがそれに気付くのは、もっとあとの話ですが。


アロクと出会った初日の夜。ぺぺは、サーラをこっそりと、教会の外に連れだしました。
そして……


ぺぺ「サーラ、実は、話があるんだ。」


サーラ「何?改めて、こんなところに連れだして。」

ぺぺ「うん、じゃあ、ハッキリ言うよ。


サーラ、実は、君を一目見たときから、好きになったんだ。


だ、駄目かな?」


サーラ「私は、ぺぺのこと嫌いじゃないけど、そこまでの感情はないの。


もっと時間がほしいの。


いきなりの告白だから、戸惑いもあるし……それに………


これは、今は言えないわ。」


ぺぺ「そうか…。



分かった。いきなりで、ごめんね。」


サーラ「ううん。私こそ、何か悪いことしちゃったかなって。」


ぺぺ「いいや、むしろありがたいよ。


こうやって、サーラの今の気持ちを知ることが出来たし。」


サーラ「…ありがとう。」

そして、次の日の夜は満月でした。
サーラは、一人前になるために、ぺぺを呼び出しました。


サーラ「ぺぺ、昨日のことと今日のことは、別で考えてほしいの。」


ぺぺ「え?」


サーラ「お婆様の占いによると、ぺぺ、あなたが選ばれた人なの。」


ぺぺ「え?え?」


サーラ「旅をしてて、最初に出会ったものが後に世界を救うって。
そのものの、勇ましい気持ちを受けると、一人前になれると。」


ぺぺ「?」


サーラ「もうすぐよ、ぺぺ。私に、口づけをして。」

ぺぺ「え?」


サーラ「早くして、時間がないの。」


ぺぺは決意して、サーラに口づけをしました。


サーラに月の光が降り注ぎ、羽根が生え、耳はとがり、一人前の天使になりました。


ぺぺ「わわっ!」


サーラ「ごめんなさい。ぺぺを利用したとか、そんなんじゃないから。」


ぺぺ「て言うか、て、て、天使だったのか!?」


サーラ「だから、昨日の夜はためらったの。」


ぺぺ「そうだったのか…。」


サーラ「騙してたわけじゃないの。言えなかったの。

言い伝えで、一人前になる前にそのことを話してしまうと、一人前の天使になれないと言われているの。


だから、何も言えなかったの。」


ぺぺ「そうだったのか。


だけど、そんなことは気にしない。君が何者であろうと。」


サーラ「問題は、それだけじゃないの。


人間と天使では、壁が大きすぎるわ。」


ぺぺ「壁なんて、自分で作り出してるだけじゃないのか。一緒に、取っ払っていこうよ。」


サーラ「駄目よ!あなたには、私のことは分からないよ!


ごめん。時間がほしいの。お願い。」


ぺぺ「分かった。


力になれることがあれば、何でも言ってね。」


サーラ「ありがとう…ごめんね…ぺぺ…。」






※この物語はフィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。