妄想劇場 ~ぺぺの予言書21 変身~ | 気まぐれバードのキマグレコ

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何でも綴りたいことを綴っています。

アロクをフロアに残し、一行は次のフロアへと進みました。
それぞれ、アロクの思いを胸に秘めて…。


次のフロアへと上がった一行。しかし…


ゼルベルグ「?」


サーラ「?」


ぺぺ「………?



何だ?」


あっけらかんとしたフロア。一行は、そのまま次の階へ行こうと、階段へと向かおうとしました。
が、進めません。


ぺぺ「?



火の力を司るものよ。我にその力を与えたまえ。」


左の掌をかざし、火の玉を放ちました。
しかし、フロアの壁を破壊するだけでした。


ぺぺ「?



なんなんだ?ここは?」


一行は、再び階段へ向かおうとしました。しかし、思うように進めません。


ゼルベルグ「どうなってるんだ?」


サーラ「私、飛んでみる。」


マントを外し、羽根を露にし、広げて翔びました。
しかし、天井スレスレまでいきましたが、何も見当たりません。しかし、そこから前に進もうとしますが、進めません。
ゼルベルグは、腰もとの剣を抜き、それを前方に投げつけました。投げた剣は放物線を描き、床に落ちました。
すると、ぺぺが今度は腰もとの剣を抜き、その場の床に突きたてました。
しかし、何の反応もありません。


ぺぺ「おかしい…。おかしすぎる。


邪悪なものの仕業なのか?

違うのか?」


すると、どこからか不気味な笑い声が、聞こえてきました。


邪悪なもの「クックック、分からないか。


分からないだろうな。」


ぺぺ「ど、どこだ!」


邪悪なもの「どこだと……思う。」


その声を聞いて、ぺぺは「ハッ」としました。
背後に何かを感じます。
ぺぺは、ゼルベルグの背後に回り、確認をしました。

ぺぺ「ああっ。」


邪悪なものが、それぞれに背後にぴったりとくっついていました。
しかし、攻撃をしてくるわけではありません。


いえ、少しずつ何かをされていました。


サーラ「何か、体がダルくない?」


ゼルベルグ「ああ、俺も感じてる。力が抜けていくような。」


邪悪なもの「クックック、お前たちの背後に回り、少しずつ精気を吸いとっているのさ。


もはや、お前たちもこれまでだ。」


サーラ「でも、おかしいわ。何で、上に翔べたのに、前には進めなかったの?」

ぺぺ「そう言えば、そうだ。」


邪悪なもの「背後をとるということは、お前らの制御も出来るんだよ。


こうやってな!」


ゼルベルグがいきなり、ぺぺに殴りかかりました。


ぺぺ「グフッ!」


腹を殴られ、ぺぺはくの字に曲がりました。


ゼルベルグ「ぺぺ、大丈夫か?


く、くそー!」


ぺぺ「くそー?それは、違うよ、ゼルベルグ。


こいつらは、僕を何も知らない。後ろをとったって、前までは制御できない。」

邪悪なもの「ほざいてろ。」


ぺぺ「じゃあ、いいんだな。ほざいても。



かなり危険だけど。



大地の力を司るものよ。我にその力を与えたまえ。」

ぺぺは、頭の中で巨大な雲をイメージし、目の前に巨大な雲を作り出しました。そして、自分の背後に稲妻を落としました。


邪悪なもの「ぎゃあーーー!き、貴様、捨て身か。」

ぺぺ「トドメだ!」


ぺぺは、さらに自分の背後に稲妻を落としました。
背後の敵は倒しましたが、背中は大火傷を負いました。


サーラ「ぺぺ!



私の前まで来て。」


邪悪なもの「そうはさせるか。」


サーラの体を操ろうとする邪悪なものに対して、サーラも必死に抵抗していました。


邪悪なもの「馬鹿な!背後をとられて、抵抗など…。」


サーラ「お前たちに、私たちの気持ちの強さなんて分からないわよ。」


邪悪なもの「馬鹿な!気持ちで俺たちを、操りを食い止めれるわけがない。」


しかし、サーラは体力を気力を奪われつつも、必死に抵抗していました。


邪悪なもの「き、貴様、この強さは一体?」


サーラ「フフ、私は天使よ。人間とは違う、不思議なものを沢山持ってるわ。」

ぺぺは、少しずつサーラに近づいていました。
しかし、途中で倒れこんでしまいました。
でも、サーラは諦めずに必死に前に進もうとしていました。


サーラ「お願い、大天使様。私にもっと力をお貸しください。」


サーラが強く願うと、サーラの羽根が黄金色に輝き出しました。
段々、眩く光り出しました。そして、その羽根は大きくなり翼になりました。耳はさらにとがり、口は嘴に変わり、足や手の爪はさらに鋭くなり、奇声を上げました。


サーラ「キョキョーーン。」


サーラは、鳴き声を発すると、翼をバサバサと動かしました。


邪悪なもの「な、何だ?こやつは…。



う、うおお、後ろにいられない。」


サーラは、背後にいた邪悪なものが離れたのを機に振り向き、一気に赤い炎を嘴から吐きました。
一瞬にして邪悪なものは、灰になりました。
そして、ゼルベルグの背後にいる邪悪なものに狙いを定め、物凄い早さで飛んでいくと、嘴で鋭く攻撃をしました。
そして、邪悪なものを宙に放り投げると、嘴から炎を吐き出しました。


ゼルベルグは、唖然とし、声も出ませんでした。


サーラは、一鳴きすると、元の天使の姿に戻りました。
そして、ぺぺに近寄り、涙でぺぺの背中の傷を癒しました。


サーラ「ぺぺ、ぺぺ。大丈夫?」


ぺぺは、ゆっくりと目を開きました。


ぺぺ「あ、あれ、僕は一体…。


邪悪なものは?」


サーラ「もう、いないわ。」


ぺぺ「サーラ?」


ぺぺは、ゼルベルグの方に目をやりました。
ゼルベルグは、何も言わず、ただ呆然としていました。


ぺぺ「ゼルベルグ、大丈夫?」


ゼルベルグ「…………ああ、大丈夫だ。」


ぺぺ「サーラ、何かあったの?


というか、邪悪なものはどうやって倒したの?」


ゼルベルグ「ぺぺ!ぺぺ!

ぺぺ、それだけは聞くな。

いいか。」


ぺぺ「え?何で?」


ゼルベルグ「いいから、早く次行くぞ。」


ぺぺ「へんなやつ。


ねぇ、サーラ。」


サーラは、満面の笑みで返しました。






※この物語はフィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。