砂漠を越えた一行は、いよいよ黒山へと向かいました。
黒山は、その名のとおりどす黒い山です。しかし、植物などは生えてなく、地肌が見えているので、ほとんど岩山と同じような感じです。
しかし、一行は頂上の方を見上げましたが、建物すら見当たりません。
ゼルベルグ「読みは、外れたか。」
ぺぺ「一応、見渡してみようよ。」
しかし、見渡す限り何もありません。
ゼルベルグ「やはり、駄目だったか。」
サーラ「………。」
サーラは、おもむろに黒山の回りを手探りし始めました。
サーラ「あ、あった!」
ぺぺ「え?手応えあったの。」
サーラ「ここ。」
サーラが指差すところに、窪みのようなものがありました。ぺぺが窪みに手を掛けると、少し岩肌がずれて入り口が開きました。
ゼルベルグ「黒山自体が、砦だったとは。
読みは、間違ってなかったか。」
ぺぺ「みんな覚悟はいい?
行くよ!」
アロク「ああ、行こう。
やっと、ここまでたどり着いたんだな。」
サーラ「…少し、怖いね。」
ぺぺ「大丈夫。今まで、幾度となくみんなで乗り越えてきたんだし。」
ゼルベルグ「では、いくぞ!」
一行は覚悟を決めて、足を踏み入れました。
中は薄暗く、少し肌寒く感じます。
しかし、中は城と同じ様な感じでフロアがあり、奥には階段が見えてます。
ぺぺ「階段上がって、一気に行くか。」
一行は、階段に向かって進みました。
しかし、急に絨毯(じゅうたん)が動きました。そして、目の前に大きく立ちはだかりました。
邪悪なもの「ここは、通さないぞ!」
ぺぺ「まさか、絨毯に化けているとは。
しかし、燃やしてしまえば、終わりだ!」
ぺぺ「火の力を司るものよ。我にその力を与えたまえ。」
ぺぺは、呪文を唱え掌を邪悪なものに向け、火の玉を発射しました。
邪悪なもの「ぎゃあーーー。
なわけないだろ!よく見ろ!」
邪悪なものから、液体が流れ出てきました。
ゼルベルグ「なるほど、水分で火を消したか。
だったら、俺が行くぜ!」
ゼルベルグが腰元の剣を抜き、邪悪なものに斬りかかっていきました。
しかし、邪悪なものは剣を包み込むようにし、攻撃をかわしました。
だが、ゼルベルグはそこから一気に剣を抜きながら、斬ろうとしました。
しかし、邪悪なものに捕えられて、剣がびくともしません。
邪悪なもの「返してほしいか。」
ゼルベルグ「………くそっ!」
邪悪なもの「返してほしいかと、聞いているのだ。」
ゼルベルグ「ああ、返してもらいたいね。」
邪悪なもの「ほらよ。」
邪悪なものは、そういうなり体をおもいっきりねじりました。
ぺぺ「ゼルベルグ、危ない!かわして!」
次の瞬間、邪悪なものは、体のねじれを元に戻すのと同時に、剣を離しました。剣は、物凄いスピードでゼルベルグめがけて、飛んでいきました。
※この物語はフィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。