朝食が終わったあと、ペペたちは神父さんに話を切り出した。
ペペ「あの、神父さん。お願いがあるんですが。非常に申し上げにくいんですが。」
神父「どうか、なされましたか。」
ペペ「はい、実は………
満月の夜まで、ここに泊めていただきたいんですが。
やっぱり、駄目ですよね?」
神父「泊めるのは構いませんが、どうして満月の夜なんですか?」
サーラ「実は、満月の夜が私にとってとても重要なんです。ですが、この話は詳しくは話せないんです。すみません。迷惑を承知でこうやってお願いしています。」
ペペ「実は僕たち、邪悪なものたちを倒す旅をしているんです。もちろん、僕たちがここにとどまることは、村全体に危機を与えることになるかもしれません。
それでも、無理を承知でお願いにあがりました。」
神父「………分かりました。一度、村長に話してみましょう。あなたがたも来てください。あなたがたが直接話していただけたほうが、村長も納得していただけるでしょうし。」
ペペ&サーラ「ありがとうございます。」
神父「それでは、早速村長のところへ参りましょうか。」
ペペたちは、神父さんの案内のもと、村長さんに会いに行くことにしました。
神父「村長、いらっしゃいますか。」
木製の玄関の扉が開き、白髪であごひげをたくわえた、歳は80を過ぎたくらいの人が出てきました。
村長「おや、神父さん、どうかなされましたか。」
神父「はい、実は、この2人が少しの間、この村にとどまりたいと申しているんですが、ちょっと分けありでして。それならば、一度村長に話を通してからにしたほうがよいのではと、私から提案いたしまして、それでこうして村長のお宅に伺った次第です。」
村長「そうですか。それで、その理由というのは。」
ペペたちは、神父さんに話したことを、村長さんにも話しました。
村長「うーむ。……しかし、いま断ったとして、他の村や街に行ったとしても、何処かで襲われる可能性は変わらない。この2人がいないとしても、襲われないとも言い切れない。
よろしいでしょう、目的を果たすまでとどまりなさい。」
ペペ&サーラ「ありがとうございます。」
こうして、ペペたちは、村にとどまることを許してもらえました。
しかし、同時にとても気の落ち着かない数日間を送ることになります。
そんな、滞在4日目の朝方。
村の鐘が、激しくならされました。
※この物語はフィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。