妄想劇場 ~ぺぺの予言書④ 安堵と不安~ | 気まぐれバードのキマグレコ

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ペペたちは、ひたすら灯りに向かって進んだ。少しずつ、家々が見えてきた。


たどり着いたのは、小さな村でした。村の真ん中にある大きな建物に近づくと、そこは教会でした。


「すみません。誰かいませんか?」


扉の向こうから、70くらいだろうか、神父さんが出てきた。


神父「こんばんは。どうかなされましたか。」


ペペ「すみません。今、僕たちは旅をしているのですが、今日は泊まるところがありません。礼拝堂の隅っこでもいいので、泊めてもらえませんか。」


神父「もちろん、構いませんよ。でも、礼拝堂の隅っこだなんて遠慮なさらずに。立ち話もなんですから、お入りなさい。」


そういって、神父はペペたちを教会に招き入れました。


長椅子が左右10列並んだ礼拝堂の脇に、扉がありそこから奥へと、神父はペペたちを案内しました。


入ったところには廊下があり、左右には4つずつ扉がありました。


神父は一番手前の扉を開き、ペペたちに食事をすすめました。
神父はすぐに、お皿にスープとサラダをそれぞれ入れて、ペペたちに与えました。バスケットには、それぞれパンとフルーツが盛り付けてありました。


ペペたちは神父に習い祈りをし、食事にありつきました。


そして、おふろもいただき、ベッドにつきました。


ペペとサーラは、別々の部屋で眠りにつきました。


朝方、ペペは自分の部屋を誰かがノックしているのに気付き、起きました。


サーラ「ペペ、ペペ。起きてる?」


ペペ「サーラか。ふあぁ~。なんだい?」


サーラ「ちょっと、話があって。」


ペペ「うん、待って。いま開けるから。」


サーラ「ありがと。あのね、ちょっと言いにくいことなんだけど。」


ペペ「ん?どうしたの?」

サーラ「うん……。今から話すのは、ペペ以外にも迷惑がかかるんだけど。」


ペペ「え?」


サーラ「あのね、あと5日程で満月になると思うの。でね、満月までこの村にとどまれないかなって。」


ペペ「え?でも…。」


サーラ「分かってるよ、だから前置きしたのよ。神父さんにも、迷惑がかかるのは分かってる。でも、違うところだとどうなるか分からないの。でも、かといってここにいることを、邪悪なものたちに知られたら、この村が危ないことも分かってる。でも、そうしてたら……

そうしてたら


そうしてたら私、“一人前”になれない。もう、どこかで“果たさない”と、今度何時になるか分からないし。神父さんが、駄目って言うなら仕方ないけど…。」


ペペ「ちょ、ちょっと待って。曖昧な部分があって、話がよく分からないんだけど。」


サーラ「ごめんなさい、“一人前”のことは、何かは明かせないの。明かしてしまうと、ずっと半人前でしかいられないって、そう言われているの。分かって。」


ペペ「うん、分かった。それはそうと、5日っていうのはどうなるか…。危険だけど、とどまれるよう神父さんに相談してみようか。」


サーラ「うん。」




さて、サーラは無事に“一人前”になれるのでしょうか?果たして、神父の反応はいかに。





※この物語はフィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。