妄想劇場 ~ぺぺの予言書③ 幻覚~ | 気まぐれバードのキマグレコ

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気持ちを新たに、旅を始めた2人。しかし、手掛りがないので、とりあえずどこかの方向に進むしかありません。


ペペは、「とらあえず、北に向かってみよう。」
サーラにそう言い、歩を進めました。


ペペは、予言書のことも気になり、荷物から取り出しました。中には、


「ある時期が来たとき、ある少女の願いを叶えることになるだろう。」


と、記してありました。


ペペは、
「“ある少女”とは、サーラのことか。


………


え?僕が、願いを叶えるのか?」


こころの中で、そう呟きました。




どのくらい時間が経ったのだろうか。歩けど歩けど、邪悪なものが襲ってくるわけでもなければ、何もありません。


すると、目の前に眩しいくらいに青い海が、広がっていました。


ペペ「海だ。近くに何かないだろうか。」


サーラ「探してみましょ。」


しかし、2人して見渡してみても、人っこ一人としていません。返す波の音以外、何も聞こえません。それが、凄く不気味でした。


ペペ「まずい、もうすぐしたら日が暮れる。」


サーラ「どうしよう、何かないのかしら。」


ペペ「もう少し、海岸沿いを歩いてみよう。」


しかし、歩けど何もありません。


ペペ「おかしい。サーラ、何かおかしいような気がしないか。」


サーラ「人っこ一人もいないこと?海があるのに、何もないこと?」


ペペ「何かはよく分からないが、何かがおかしいんだ。」


ペペはそういうと、いきなり呪文を唱え始めた。


「火の力を司るものよ。我に力を与えたまえ!」


「サーラ、下がってて。」

ペペはそういうと、両手を天にかざし、巨大な火の柱をつくりだした。


続けて


「風の力を司るものよ。我に力を与えたまえ!」


そう呪文を唱えると、炎がペペの前で辺り一面に広がった。


「ぎゃあーーーー。」


「おのれ、よく見破ったな。


ぐああぁーーー。」


何と、幻術師がペペたちの目の前に、海の幻覚をつくりだしていました。


ペペ「それにしても、限りなく本物に近い幻覚だったな。かなりの技術のものだったに違いない。」


幻覚が消えると、遠くの方に灯りが見えていた。辺りは、すっかり暗くなっていた。2人は、灯りに向かって歩を進ませた。





※この物語はフィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。