あれから、一週間。今日は日曜で、これから加純と家具を買いに行く予定だ。しかし、私の中で何かが引っ掛かっている。
加純「明宏さん。昨日決めたこの家具でいいかしら。」
と、私の方に向き直って確認の言葉をかけてきた。
明宏「………………うん。」
私は店のパンフレットを見ながら、自分の中で何が引っ掛かっているのか、思い出そうとしていた。
明宏「………………」
そうだ!確か、パンフレットの店に行き、家具を買ったけど欠陥があって1年後に壊れたんだ。
加純「明宏さん。この店でいいかしら?」
私に再度確認を求めた。私は、
「この店、別の場所にもあったよね。そちらに行こうか。」
と、加純に同意を求めた。
加純は、
「明宏さんがそうしたいなら、いいよ。」
と、何も疑わずに同意した。
だけど、何か釈然としない。私だけ、今この場にいてこの場にいないような、なんともいえない感覚に捕われていた。今は2005年で、2008年まで大まかなことは憶えている。
未来から来たみたいで、だけど私自身の中身は2008年の時のままだ。どうしたらいいのか、何をしたらいいのか、どうなるのか。2005年は27歳で、2008年は30歳なのに、でも2005年で30歳。
「!」
私は、奇妙なことに気付いた。一週間も経つのに、何故周りの人間は誰も気付いてないのか。
気付かないふりをしている風には見えないし。
「!…………加純?」
加純が、私の手を握り何かを訴えるような目を、私にむけた。
※この物語はフィクションです。