10月、移り変わる季節の中でー八甲田便りー
~北国の小さな庭から~
◆番外編◆
かつて私は八甲田を自分の庭にように
自由自在に歩いていました
まだ熊が今のように
跋扈(ばっこ)していない時代の話です
本日はその頃に撮った写真を
お見せしましょう
尚、写真には著作権がありますので
無断転載・複製はご遠慮ください
10月
しじまを抜けてひたすら走り
夜明けの山へ
下界はまだ緑でも
天上の世界は秋の盛りでした
その格差にいつも驚いたものです
山の秋は短く
11月はもう八甲田は雪になります
そうすると道路は通行止め
走れる道が限られてしまいます
撮影が可能なのは意外と短いのでした
(写真は10月撮影)
お天気の悪い日が続き
雪雲が来る頃
広大な八甲田の牧場の牛は
下界に帰ります
私はこの牛たちを見て
来世は牛になって
八甲田の地に寝そべり
花を見ながら暮らしたいものだと
密かに思っていたのでした
まぁ、それとは別に
こんなところでのんびりできる牛たちは
さぞ美味しくなるんだろうなと
不謹慎なことを思ったのも白状します
実はこの場所は今はもうありません
広大な高原野菜の畑になってしまいました
この右下のほう、湿地がある辺りには
赤道を越え、オーストラリアから渡ってくる
オオジシギが繁殖していました
カミナリシギとも言います
大きな音をたてて急降下する鳥です
(ディスプレイフライトという)
その鳥たちは今どうなったのでしょうか…
そしてある年、この辺りには
大きな風力発電が立ち並んでしまいました
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いつもそこにあると思った自然は
いつまでもそのままではないと知りました
つまりこれは風車がまだない時代の
写真というわけです
季節も時も移り変わります
今のこの一瞬の貴重さ
それを八甲田に通い詰めて知りました
この秋は
今一瞬だけの秋
二度とない『今年』の秋なのです
皆さまもどうぞよい秋を
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本日は作品をご覧いただき
ありがとうございました
少しでも八甲田の秋を感じて
和んでいただければ嬉しいです![]()
庭は自然をモデルにした
小さな宇宙なんだと
今、私はガーデニングで感じています
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どんな経験も無駄ではありませんね
山で見て感じてきたことを
庭で活かしていきたいです![]()









