Salvador Sobral とJulio Resendeはジャズかつポルトガル語歌詞中心のパフォーマンスのほかに、別名でインディーロック、ポップもやっている。
 20世紀初頭の詩人、Fernando Pessoa の詩集を読み始めたのもこのバンドのせい。彼らがペソアにインスパイアされて作ったバンドなのだ。南アフリカで結成、現在は活動の場をポルトガルとヨーロッパ各地としているバンドヒストリーも、サルバドールがBenjamin Cymbra と言う別名で参加してるのも、ペソアの生い立ちと詩人活動に重ね合わされたものだ(つまり嘘)。そんな幻想的なことをやっている歌手、バンドが国民的な存在だと言うポルトガルがうらやましい。音楽が明日の日常の活力だとか、そういうのには馴染めない。
 そういう現代的ではない歌詞やメロディ、しかし今日的な存在感を持って人々に受け入れられている。ポルトガルはヨーロッパ諸国でも存在感は決して高いとは言えないが、こういう音楽を聴いていると、幸福度はヨーロッパでもかなり高いのではないか。比較的南で温かく、大西洋に面した国。難民問題からも距離を置いていて、安定している。とにかく詩心がある楽曲が並ぶ。