中央アジア好きとしてはこういうイベントも見ておきたい。上野でボリュームある展覧会の美術館めぐりするのは時間がないが、無料イベントなら30分もかからず観賞できる。場所は代官山ヒルサイドテラス。代官山自体はそれなりにうろうろしてきたと思ったが、この建物のことは知らなかった。ヒルサイドテラス自体は昔からあったらしい。建て替えられてかつての代官山のシンボルだった同潤会アパートのような味わいはない。
 前半はアルメニアの宗教芸術。教会の建物写真が美しい。ただ、この国は歴史的に常に紛争に巻き込まれてきた一帯であり、13世紀の建物が綺麗に残っている一方、戦禍で破壊された建物の跡形の写真もある。さらに、撮影自体がそうした紛争地帯で撮られたものであり、撮影者の物語もある。
 モニュメントの石柘も不思議だ。アルメニアは独自の文字を持っており、碑に書かれているメッセージもさっぱり分からない。まるで宇宙人が残した足跡のような感じさえする。
 後半はアルメニア人と日本人のアーティストによるコンテンポラリーアート。やはり歴史的遺跡の重みに触れた後に現代アートが配置されると、軽い作品だと思えてしまうのは否めない。子どもたちの作品は出来はともかく、弾けるような鮮やかさが印象に残る。
 そもそもアルメニアのジェノサイド100周年と言う呪われた歴史の節目でのイベントだが、そのような重い作品は少ない。当時の新聞の報道記事の展示がある程度。もちろん生々しい写真などはなく、挿し絵が載っているくらい。
 まあ代官山も最近は夜中にうろつく(笑)だけで昼間の代官山は久しぶり。街活ABCに登場したかまわぬの場所も確認できなかった。昼食を本格ハンバーガーショップSASAで取ろうとしたが、さすがに土曜の昼間は行列ができる店なのね。今日はそんなれつに並ぶ気力はないのでそのまま東横線で次の目的地へ移動。