占星術師のDeeNakagawaです。
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占星術師にも色々なタイプがおります。
中で多くの占い師に外せない要素は、癒し(ヒーリング)ではないでしょうか。
これが少ない預言者のようなタイプもいるかもしれませんが、占い師としては成立しにくいかもしれません。
星座の中で癒し要素が強いのは魚座。
支配星は海王星で、感覚や直感、イメージ力も優れています。
前に見た太陽月水星を魚に持つデザイナーのアレクサンダー・マックイーンは、典型といってもいいかもしれません。
魚座は海のように深い共感と感受性で、全てを飲み込んで浄化する。
他人の悩みも同化吸収して和らげる、独特の能力を持ちます。
世の悲劇に対して、どの星座よりも共感してくれる。
逆に水の流動性から、社会的な競争や規律には合わない。
他人に共感したり、非現実のイマジネーション世界に飛ぶような指向性を持っているので、硬い現実に合わせるのは無理が出やすい。
先のアレクサンダー•マックイーンのように、大衆の集合無意識と共鳴するイマジネーションを産み出す人もいます。
守護星の海王星の特徴なのですが、基本融合しようとするので自他の境界も曖昧になりやすく、他人に気持ちに入られやすい。
俗に “ヘビ嫌いのヘビ探し” といって、「絶対イヤだ!」という人に気持ちが集中すると、嫌な人を探し当ててしまう → すると相手は寄ってくる。
寄ってこられると優しい魚座は無視できず、大変です。
通常魚座はイマジネーションの豊富さから、現実にいろいろな夢を投影していますが、それによって自分を守っているフシもあります。
俗に “バラ色の眼鏡” といいまして、「みんなかわいそう」とか「本当はいい人」とか投影し、実際にそうさせようとする訳です。
しかしながら現代は利己主義者達の全盛時代、様々なトラブルも起こりやすい。
俗に “二大騙され星座” とは、魚座の「かわいそう…」と乙女座の「この人一人じゃ生きていけない人だし…」ともいわれます。
そういう私も水星は魚座なので、現実的に修練も必要だと思うわけです。
魚は初期のキリスト教徒のシンボルでした。
ギリシャ語で「イエス・キリスト・神の子・救世主」を頭文字で綴るとイクトゥスとなり魚。
ローマではキリスト教徒は異端の秘密結社みたいな感じだったので、彼等は握手した時にお互いの手のひらに指でこの魚の半円の曲線をナゾっていました。
カラヴァッジョの有名な「エマオの晩餐」では果物籠の影が魚の形です。
この若者がキリストだよと示しているわけですが、先のイクティスの2つの半円にしても、魚の形ってどこか安心できるんですよね。
キリスト教の愛と魚座の共感性は違うものではありません。
むしろ宗教を星座で表すと、キリスト教は魚座以外にあり得ないと思います。
12使徒の一人ペテロも漁師です。
キリストに「これからは人間をとる漁師になれ」といわれました。
キリスト自身も水の上を歩いたり、洗礼は聖水であったり、水に由来が深い方だと思います。
この “初期キリスト教 = 魚” というイメージは、SF作家のフィリップ・K・ディックも作中でひっきりなしに引用しています。
ディック自身、ある女性が付けていたイクトゥスのペンダントを偶然見た時に神秘体験をしています。
ディックの傑作小説「ヴァリス」
の続編の「聖なる侵入」
では、大きな白い魚になったキリストが登場人物の夢の中に現れます。
その魚は運河に現れるのですが、非常に友好的に、自分からわざと網に捉えられます。
自らを食物として人々にさし出したかったからです。
人々が永遠の命を授かれるために自分を差し出し、自分は切り刻まれ食べられてしまいます。
現在ではこれは、パンとワインの二種類の聖体になっています。
このエピソードは、魚座そのものといえます。
魚座はなぜみんなに奉仕的で、癒し的存在で、博愛的にどんな人でも「かわいそう」なのかというと、自己犠牲的精神を持っているからです。
言い換えると、自らを食料として差し出した夢の中のキリストのような「生け贄感覚」を持っています。
それがキリストのように、聖体として実際に人々が永遠の命を受け取れるなら、見えない部分であってもその価値はあるかもしれません。
しかしその実効が無ければ、その自己犠牲は自己満足の愛に終わってしまう危険性もあるのが魚座です。
それでも周りの人にとっては、魚座がいると癒してくれるので安心できるかもしれませんが。
先のアレクサンダー・マックイーンもメゾンに入ってからもハードワークを続け、修練そのもののような人生だったといえると思います。
また、魚座の自他が未分になる耽溺感覚は中毒性もあるので、刺激の強い世界にいる人は要注意。
元々はその耽溺は、その世界業界に入って泳ぎ続けるためにある才能で、刺激を得るために耽溺するわけではないことをお忘れなく。
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