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DJ MIKO blog

BASKETBALL & STREETBALL

- ニューヨーク地獄めぐり編 -

 

※個人の記憶を奔放に綴った内容ですので、事実と異なる点もきっとありますがご容赦下さい。



2005年6月15日の18:00過ぎ、地下鉄「1 Train (Broadway-7 Avenue Local)」に乗って、我々は真の最寄り駅である「Dyckman St」に到着。

 

こちらは先日の駅よりも安全な場所だと聞いていたので、若干油断した状態で改札を通過すると、目の前の横断歩道を渡るお婆さんの姿がありました。

その人が我々一団を視認すると、こちらに聞こえるように、笑みを浮かべながら指を差してこう口にしました。

 

「Losers」



呆気にとられる一同。

 

一瞬に何が起きたのか分かりませんでしたが、ここから理解できるのは、地域の老人にまで日本からの挑戦者が話題になっていること。

 

そして公園のストリートボールが、老若男女問わず住民の関心事であること。
その2つの事実を思い知ったのでした。



早くも結構な精神的ダメージを受けながら、1 Trainの線路を左頭上にしてパークへの道を進みます。

 

そしてパークの100mほど手前にある駐車場の前を通り過ぎる時に、そこの車の中からこちらに向かって叫んでいる人物が。

その人物はなんと、史上最強のストリートボーラーの1人であるBone Collectorです。

 

実は2004年にAJは単身でNYに武者修行に行っており、その際にBoneと一緒にプレーし、アドバイスをもらっていたのでした。
その際のプレー写真も残っています。







Boneも今回のFEB参上の噂を聞きつけ、AJ、そして我々に会いにDyckmanまで来てくれていたのでした。
彼には別のスケジュールがあったのでここで別れてしまいましたが、いきなりの大物登場にまたも動揺する一同。

 

そしてようやくDyckman Parkへ到着です。たかだか500mの一本道の間に色々ありましたね。

 

いざ気を取り直して決戦の地へ入場。再び入口の金網を潜ります。
しかし先日見学に来た時とは大きく違う、おぞましい光景がそこには広がっていたのでした。



平日の夕方なのに、既にほぼ満員のスタンド席。
いたる所で大声で勝手に盛り上がっている観客達。

 

そしてこちらの姿を見つけると、一様にニヤニヤとした表情で何かを口走っています。
思い出されるのは駅前で老婆に放たれた言葉です。

 

これぞ正真正銘、メンバー全員にとって人生最大のアウェー空間。

そこに「東京オートサロン 2005」で一緒だったRamonが応援に駆け付けてくれました。NYに住んでいる彼すらも少し緊張した様子でしたね。



やはり普段とかけ離れた異様な空気になっていたようで、主催者のKennyから

 

“コートから離れるな”

 

と指示をされます。

 

そしてもうすぐアップの時間というタイミングで、このリーグを手伝っている地元のBarber Shopの方が

 

“近くのトイレはあぶないから、うちのトイレを使いなさい”

 

と言って下さり、メンバー達はその方の後ろに1列になってお店へ向かっていきました。












何やらとっくに観客席でHighテンションになっている地元住民達。

 

The Diplomats関連の厳つい曲を次々かけるDJ。

 

自信満々にこちらの様子を伺うDa Young Ones。

 

“極東から俺達のHoodに挑戦者が来たぞ”と会場を煽るKenny。

 

そんな状況下で黙々とアップするメンバー達は、一体どんな心境だったのでしょう。





そして試合直前、ロスター表をTOに渡します。

 

そこには#23 AJ、#11 COHEY、#9 ATSUSHIといった具合に番号と共にボーラー名を書いていたのですが、

 

“a.k.aにしろ”

 

とKennyに突き返されます。
FEBは各メンバーにa.k.a(通称/またの名を)は付けていたので、すぐに書き直すことができましたが、加入して間もないKENJIのa.k.aがないことに気付きます。

 

悩んでいる暇はないので、とりあえずうちのチームで一番でかいから「Mt. FUJI」でいいだろとなってそれで提出。
ただKennyが読み間違えたのか、実際は「Mr. FUJI」と呼ばれていましたね。













とんでもない緊迫感のなか円陣を組み、両チームのスタメンが呼び込まれ、ついに試合開始です。

 

観客の笑い声や叫び声を浴びながらTip Off。

 

そして始まって早々、向こうのビッグマンに速攻から強烈なダンクをかまされてしまいました。

そこでこの後何度も聞かされるフレーズを、Kennyが初めて口にします。

 

“Welcome to The Dyckman”

 

つづく>