第1章 「運命の出逢い~宇賀 満、28歳、俳優、血液型A型」
5
圭子は、よく渋谷に出掛ける。
昔から、圭子は渋谷が大好きだった。
その日は、珍しくお休みだった。
お昼までゆっくりと寝て、それからひとり渋谷に出かけた。
圭子は、いつも自然体だ。
出掛けるからって、別に大きいサングラスをするわけでもない。
モデルをしていた雑誌を見てくれた女の子から、声を掛けられることはある。
CMが流れていたときも、声を掛けられたことはあるけど……。
でも、それで困ったことはないし。
一般的には、まだまだ有名じゃないし……。
でもドラマの出番が増えてきたら、きっと今までみたいに自由に出掛けることは出来なくなるだろうな……。
そんなことを考えながら、圭子は渋谷のスクランブル交差点を渡る。
「あれ? 古田さんじゃないですか?」
「えっ? あっ、はい!」
突然、声を掛けられた圭子はビクッとしながら、ぎこちなく笑顔を作った。