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朝早くに起きて、ケーキやパンを作る。
そんな仕事をするおとうちゃんの背中を見て、圭子は育った。
いつも一緒にいて、夫婦で助け合いながら仕事をする両親の姿を圭子はずっと見ていた。
だから、そんな仲の良い両親が圭子の憧れであり、理想の夫婦の姿だと思っている。
そして、わたしもそんな幸せな家族を作りたい……。
それが圭子の大切な夢となっていた。
ケーキ屋さんは、おねえちゃんが継ぐことになっていた。
おねえちゃんは将来、旦那さんと一緒にケーキ屋さんをやっていくのだ。
「圭子は、お嫁に行くんだからね! 良い相手を見つけて、早くお嫁に行くんだよ!」
おかあちゃんのそんな言葉が、ずっと圭子の心の奥に残っていた。
だから……。
「じゃぁ、圭子ちゃん! お願いしまーす!」
「あっ、はーい!」
圭子は、ハッと我に返ってベンチから立ち上がる。
「お願いしまーす!」
圭子は、そう言いながらキリッとした表情でカメラの前に立った。