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ルリが、俺の手を取った。
「アキト、行こう……」
「ん? どこ、へ?」
ルリは恥ずかしそうに頬を赤らめていた。
そんな顔をされると、なんか俺……。
「ど、どこへ……?」
「どこへ、って……あたしの……部屋だよ……」
「あ、あぁ……」
俺は、ドギマギしながらも冷静なフリをして言った。
「そうだな、うん行こう……」
その時、俺は考えていた。
ルリと二人きりになれる。
と、いうことは……。
いや、そんな下心が無いわけではない。
でも……本当は、ルリ自身に俺は興味が湧いていた。
ルリの部屋に行けば、きっと何かが分かる。
アキトのことや、もしかしたら……。
もしかしたら、俺のこと、も……?