14

ルリが、俺の手を取った。


「アキト、行こう……」

「ん? どこ、へ?」


ルリは恥ずかしそうに頬を赤らめていた。

そんな顔をされると、なんか俺……。


「ど、どこへ……?」

「どこへ、って……あたしの……部屋だよ……」

「あ、あぁ……」


俺は、ドギマギしながらも冷静なフリをして言った。


「そうだな、うん行こう……」


その時、俺は考えていた。


ルリと二人きりになれる。

と、いうことは……。


いや、そんな下心が無いわけではない。

でも……本当は、ルリ自身に俺は興味が湧いていた。


ルリの部屋に行けば、きっと何かが分かる。


アキトのことや、もしかしたら……。

もしかしたら、俺のこと、も……?