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俺とメグは、下北沢の駅を挟んで割と近い場所に住んでいた。
それから、俺とメグのお互いの部屋を行き来する生活が始まった。
俺は、メグを愛している。
それは、きっと間違いのない事実だ。
メグとの生活は、楽しい。
それは、今までに経験したことのないほどの幸福さだった。
だけど……。
俺は、ふと考えることがある。
もしエンジェルが、戻ってきてくれたら……。
そのとき俺は、どんな選択をするのだろう?
そのことが自分自身でも分からなかった。
それほどに、俺は……エンジェルを愛してしまっていたのだ。
エンジェルと過ごした時間は、一瞬とも言えるほどの短さだった。
だけど、過ごした時間なんて関係ないのかもしれない。
こころが絡んで、混ざり合って、お互いがお互いの一部となり……一緒になる……。
そんな充実感を、俺はエンジェルに感じてしまった。
だから……。
メグとの生活には、何の不満もない。
そして、きっと時間が経てば……俺は、エンジェルのことを忘れてしまうのだ。
きっと……。
それでも俺は、またエンジェルが現れるのを心待ちにしている。
それも、偽らざる真実なんだ……。