「さよなら」
書き出しはいつもそう。
今日で何人が私の回りからいなくなったんだ。
「元気で」なんて意味のない言葉。
だってあなたは私の前からいなくなる。
気付くと灰色の四角い箱の中にいるのは私だけだ。
冷たくて寒い。
顔のわからない人に囲まれてそして。
それでも今日も駅に電車はやってくる。
4/13 「シカクい箱」
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帰りたくない。
足が自然にゲーセンに向かう。
家と学校と塾の生活。
どこでも見張られている気がした。
薄暗いゲーセンに入ると見たことがある顔が近づいてきた。
まさか。
あの日から5年経っていた。
親の転勤で引っ越してったマユ。
その時あげたストールを巻いていた。
「久しぶりだね」
懐かしい声だった。
マユの笑顔は変わらなくて小学生の時のまんまだ。
「なんで?どうしたの?」
私の問いにマユは少し照れながら
「会いに来たんだ」と言った。
すごく会いたかった。
あれから心の何処かに小さな穴が開いてた。
話しているとそれがふさがっていった。
「そろそろ帰るね」
楽しい時間はすぐに過ぎて行く。
「ただいま」
家に帰ると玄関には靴が並んでいた。
「遅かったのね」お母さんが出てきた。
目が赤い。
「どうしたの?」
「・・・あのね。電話があったの。前に近所にいた子、覚えてる?」
まさか。
私のふさがった穴からまた空気が漏れてくる。
「マユじゃないよね?」
お母さんは答えてくれなかった。
4/16 「再会」