そこは閉ざされていた。
窓は一つもなく、ドアはコンクリートで固められていた。
誰が最後につけたのか、灯りがついていたが、電球が寿命を向かえようとしていた。
いつからだろう?この地下室に水が現れたのは。
水はどこからやってくるのか、次の日、また次の日と増えていった。
その水は徐々に地下室を覆い、床に残された思い出は
いずれはすべて濡れ、そして腐っていくのだろう。
外はもう春が近い。
木々は芽吹き、植物たちは緑色の息を吐き出す。
しかし、ここは地下室。
厚い壁に覆われて音も聞こえないそこでは,その事を知る事はできない。
だが、ある日。
ミシミシと壁にひびが入り、光の線が地下室に降ってくると、いつの間にか、水も消えていた。
そして地下室の天井が崩れた時、そこには光が満ちていた。
そして君は目が覚めるのだろう。
「おはよう」