朝、喉の渇きで目が覚める

 

工場の二階の小汚い部屋に服が散乱している

その中からケータイと財布を探し確認する

飲みに行った翌朝の恒例行事だ

 

財布の中からはタクシーの領収書が出て来た

7500円

随分高いなと思ったが、新宿からタクシーで帰って来たのだった

20年前は5000円台で帰ってこれた

腹が立った

いや、それ以前に酔っぱらってタクシーに乗ったのかと思うとぞっとした。

 

その昔

 

酔ってタクシーの車体を蹴ったことがある

運転手にも散々暴言を吐いたこともある

今はそんな行為をTVニュースが流す時代だ

だからか、私は本能的に必ず領収書を貰うことにしていた

忘れ物をした時

清算した証

何かあった時の為だ

最低2週間は領収書を捨てられない

幸運にも問題になったことは一度もない

奇跡だと思う

 

 

そういえば

昨日は友人が怒っていたな

ついつい目の前の女性たちに暴言を吐いてしまったことだけは覚えている

何を言ったかは具体的に思い出せないし、思い出したくもない

終わったことだ

その友人にも電話をかけて

「昨日はすみませんでした」

などと、無粋な電話をするほど私は女々しくはない

こんな人間なんてもう金輪際誘わなければいいのだ。

ただそれだけだ

 

 

そう独り言ちながら

タバコをふかす

紙で巻いてある本物のヤツだ

今はなんやら煙が出ないのか何なのか解らない充電しなきゃタバコも吸えないような紛い物

を好んでる馬鹿が居るがそんなものは邪道だと決めつけて軽蔑視している

タバコなんて本来もっと原始的な嗜好品だ

それを充電してから?は?って思うとまた怒りがこみ上げる

 

そういえば

昨日の女がなんだかちゅうちゅう紙パックのジュースでも吸ってるのかと思ったら

タバコだっていうから驚いたことを思い出した

 

平成は30年

長いようで短かった

30年で染みついた習慣ってやつはなかなか抜けないものだと悟った