1980年代-1990年代
時は昭和から平成になる時
俺は少年から大人へなりつつある時期だった
大正生まれのおじいちゃんは、自分の工場を長男に継がせ、悠々自適に過ごしていた。
紆余曲折あった会社だったが、確かな腕前と営業力と少しダーティーなやり方で、次々と大口の顧客を増やし、着実に会社は安定した
見た目は只の下町の工場だが、顧客は一流企業
そして、卸先も一流だった。
しかし、規模は大きくしなかった。
職人10人くらいの下町の工場。
まさに精鋭部隊
ちなみに
昭和中期のバブル前は
大学卒業の初任給が10-15万程度だったが、職人一人の給料は手取りで40-50万もあったそうだ。
会社側と「取半」にしていたので、会社は大いに儲けた。
また、ガラス職人と言ってもあのTⅤでやってる
「フーー」とか吹いているやつじゃなく、研究器具の製作なのでかなり複雑なものだし、特殊な技術が必要な仕事なのだ。
どこよりも早く、正確に仕上げる。
だから料金も高い
安くは売らない。
安いものを買いたいなら他に行けスタイル
そのやり方は今の俺の仕事も同じ。
特殊技術の安売りはしない
おじいちゃんは、そんな仕事を子供達そして自分の末裔まで残したかった。
女の子は商業高校への進学しか認めず
男の子は工業高校への進学しか認めなかった。
高校卒業後は全員自分の工場で働かせたが・・・
うちの母は一度逃げだし、イギリスまで逃亡した。
叔母は外へ就職した。
長男の叔父は渋々工場を継いだ。
今はっきり言えることは、やはり
世襲制とは呪いだ。
どんなにいい仕事でも親の後を継ぐと自分が壊れる。
自分を見失いアイデンティーを見失う
何時になっても自分の足で立っている感覚が無い。
後に語るが、お金の争いも生まれる。
良いことが無い。