意外と毎日そこそこハッピーに暮らしていたが、そううまくはいかないものだ。

 

 

この日は相変わらず遊具でのんびり働いていたが、幼稚園の団体がやってきた。

関西弁の子供たち

遠慮なくぺらぺらと話しまくる子供たち

 

「おっちゃん!」

 

東京の下町の子供もまぁ品が無いが、ここはそれ以上だ。

まだこの時僕は22歳

おっちゃん・・・

軽くショックを受けながら、作り笑いで何とか乗り切った。

 

なんだか、どっと疲れが出た一日だったが、翌日は休みという事でまたみんなで呑み会をしていた。

この時は僕の部屋で集まった。

いつも通り楽しくやっていると、コズの携帯が鳴った。

相手はGⅯの橋本さん

 

内心

(あのエロジジイめ何の用だ)

と思っていると

 

「ちょっと行かなあかんわ」

 

という。

でたな・・・と思った。

 

なんでも、ホテルの本館に東京本社からも偉いサンたちが来ていて、イベントの女性スタッフはその飲み会に呼ばれているとのことだ。

今では完全にアウト・・・

というか当時でも完全にダメ

 

イベント女子をコンパニオン的なノリで呼んでいる。

ずるい

 

 

僕らは楽しい時間を邪魔されたこともそうだし、何よりもこの後のHの時間を取られたことに怒りを・・・・

いや、会社の上司達のセクハラ行為に怒りを覚えた。うんそうだった。

 

 

しかし

問題を起こせばクビという、社会生活脱落にリーチがかかっている僕は酒を飲んで耐えるしかなかった。

しかし、飲めば飲むほど怒りが増し、おまけに性欲も増してきた。

 

今考えると女性を「オンナ」と考えることが先立つというのは若さだなと思うし、怒りの矛先の上司達と同じ思考回路だという事に気が付いた。

 

(俺は所詮社畜なのか・・・)

 

(それでいいのか、おれ)

 

自問自答していると

 

あの誰よりも熱い男タカが言った

 

「これでええのか?」

 

じゃあどうするのが正しいのか、どうしたいのか解らなかったが

その上司達の呑んでいる部屋に行ってコズを連れ戻したかった。

 

「じゃあそうするべき」

 

との激熱プッシュを真に受けてタカと二人で部屋を出た。

 

アネックスから本館へ

飲み会が行われている部屋を調べ、エレベーターで部屋の前まで来たが、社会人になりかけている僕は

「ためらい」

という言葉が浮かんできた。

 

軽井沢では、酒の勢いで酒乱気味に暴れてしまう事が多かったのだが、ここではさすがにビビっていた。

上司は勿論、軽井沢のGⅯなどなど本部の人間が何人いるか解らない。

そんな中に何しに行くんだ・・・・

 

しかしタカは簡単に言った。

 

「あんとき行っとけばなぁ・・・とか後から言うなよ!」

 

確かに。

 

頭の中で

皆で行った四国!

皆で歌ったブラフマン!!

昼間の遠慮を知らない子供たち!!!

 

気が付いたら部屋をノックしていた。