ここまで書いてきて、飲酒運転を当たり前のようにしていた時代はイカレテいたと思う。

絶対ダメだと思う。

 

車でも事故しているし、50ccでも事故をしている。

こんな人間捕まらない方がおかしいと改めて思った。

 

こんな人間も、24歳のあの頃の死亡事故をきっかけに一切の飲酒運転を辞めるのだが、それはまた後々の話。

 

 

昔話のフィクションとして読んでほしい。

 

 

 

では

ハリオとの話し合いの席が設けられた。

それまでに一応勉強をして謝罪文を書いた。

そして後遺症云々の書類も作成した。

バカ高い病院代金もなんとか振り込んだ。

金は無かったが、誰にも頼れなかった。

しかし、なんとか捻出して即座に支払った。

 

僕の前に現れたハリオは神妙な顔をしながらどこか卑屈な笑みが口元にこびりついていた。

解雇になるはずの男がまだ会社にいる。

それについて納得のいっていない顔だった。

その顔を見て即座に手が出そうになったが、全集中で堪えた。

 

話は僕の方から切り出した。

 

「この度はすみませんでした」

 

「はい・・・・」

 

「この書類を書いてきたので読んでください」

 

「はい・・・・・というか今日は慰謝料の話で来ました」

 

やっぱりカネの話か・・・こいつはいつもそうだ。

さんざん苦労して書いた書類なんてこいつにとっては1円にもならない価値のないものだった。

もう呆れて怒りを通り越してみじめな気分になってきた。

 

 

「慰謝料ね・・・・で、いくら?」

 

僕は一応慰謝料については調べた。

どうやって調べたかは忘れたけど、大卒の頭いい奴に聞いたか、先輩に聞いたかした。

傷害の精神的苦痛に対する損害賠償金ということだった。

意味は調べて知っていたが、ムカつきすぎるのでとぼけることにした。

 

「いくらって言われても・・・・それなりに頂きたいと思います」

 

多分10万とか20万の話じゃなくて、もっと上の金額を言っているのだと悟った。

ハリオは兄貴が行政書士で、借金の時に減額してもらうとかなんとか言っていたのを知っていたので、空気が入っていることは知っていた。

でもここで真っ当そうな金額を言ったら調子に乗るのが判ったので

 

「解りました。後日私の精一杯の金額をお支払いします。」

 

眼に精いっぱいの力を込めてハリオの目を見ながら言ってやった。

 

 

「・・・わかりました・・・・今日はこれで・・・」

 

気圧されたようにして帰って行った。

まるで貧乏神が取り付いているような背中だった。

 

暴力は悪い

絶対に良くない

それは社会に常識

制裁を受けるべき

 

しかし

ハリオとはよく遊んだし初めの頃は面倒もよく見た。

毎日一緒に風呂も入った仲だった。

どうしてこうなったのか解らない

 

 

冬休みの時に東京であったことを思い出した。

2人とも金が無かった

ハリオは兄貴からもらったベースを売りに行くと言って御茶ノ水に一緒に行った。

ベースは7000円で売れた。

しかし、その7000円を速攻でスロットで溶かした。

クズだと思った。

その次の日は二人で乞食に紛れて日通の日雇いのアルバイトをした。

その金もハリオは速攻でスロットで溶かしていた。

それを横目に見て、またこいつは改めてクズだと再確認した。

 

 

思い出に浸っている場合ではなかった。

僕には時間も金も無かった。

 

鎌Pに肩代わりしてもらったJAF代も速攻で返さないといけなかったうえに、車を買ってしまったので貯金は0円

少しだけ残しておいた貯金はハリオの病院代で消えた。

次の給料はまだまだ先・・・・

恥を忍んで借金をするか悩んんだ。

 

考えるのを辞めた。

次の日から行動を開始した