平坦な林道を抜けると、デッカイ駐車場があって、ホテルとスキー場があった。
見覚えのあるあの屋根。
ホテルのフロントへ行くと皆揃っていた。
「すみません。遅れました」
っていう感じで、難なく受け入れに入り込む。
そこには軽井沢スタッフの一同
那須君
東条さん
柴咲君
が居た。
後は売店に辻岡さんがいたが、辻岡さんは白馬の出向は経験済ということで、早速売店で働いていた。
遊園地では「マネージャー」と呼ばれる偉い立場でも、出向すると売店の一社員か・・・
と思った。
白馬は、ホテルの周りに寮が3個ある。
一番ボロイ古い寮が食堂も兼ねていて、そこがアルバイト男子寮
その隣に同じくらい古い寮があって、そこがアルバイト女子寮
ちょっと離れて、駐車場の方へ行くと、キレイな新しいアパートの様な建物があって、そこが社員寮
となっていた。
軽井沢とほぼ同じシステム。
違いは女子寮があることだ。
軽井沢の時は女子も男子も同じ寮だったために、男女間のトラブルが多発した。
そのことは後で書くとして
社員寮へ案内された。
正直キレイでほっとしたが、入ってみると激狭!!
6畳一間にユニットバスと二段ベットが2台。
要は、大の大人が、6畳一間に4人で生活するのだ。
真っ先に一番年上の29歳の東条さんが、文句を言った
「マジかよこれ!!」
柴咲君が冷静に
「まぁ3か月ですから・・・」
となだめる。
僕は正直言って、こういう狭い部屋の共同生活は、菅平高原の住み込みのバイトと、教習所の合宿とかで慣れていた。
けど、メンバーが嫌だった。
社員同士は仕事のことで喧嘩ばかりしていたので、あまり仲良くない。
それに加え、那須君がおかしくなっていた(今でいうパニック障害的な)ので不安だった。
特に東条さんとは同じ部署の先輩後輩(2か月しか入社時期は変わらないのに)で、酒を飲むたびにぶつかっていたので、嫌だった。
あと、この頃、東条さんだけタバコを吸わなくて、毛嫌いしていて、他の3人が喫煙者だった為、狭い部屋で東条さんは耐えられなかったのだと思う。
今考えると、自分だったら絶対いやだ。
早速ベットの割り振りをした。
これは、先に行ったもの勝ちだなと思い。
「僕下がいいっす!!」
と強気で言った。
すると、東条さんも
「俺は絶対下!!」
と勢いよく言った。
那須君と柴咲君は気圧される形で、那須君が俺の上、柴咲君が東条さんの上になった。
早速自分の巣を作った。
東条さんは早速持参したカーテンを、ベットに取り付け、僕らを遮断した。
さすが、我儘なおっさんだなと思った。
中央にテレビが1台あってみんなで観るようになっているのだが、東条さんだけ、
「my テレビ」
とか言って、自分のTⅤを持ち込み配線して、そのカーテンの中の巣に設置した。
どこまでも、1人にこだわる姿勢が気色悪かった。
そして、白馬での配属が言い渡された。
那須 柴咲はホテルのレストラン。
僕 東条は索道
索道って何??
みたいになったが、要はホテルの外の仕事。
主にスキー場業務、レンタルスキー、パーキング。
ここでもこの扱いか・・・・と思い、まぁホテルマンって風情でもないからしょうがないと思った。
