彼女が・・・ときたら

「彼女が水着に着替えたら」というホイチョイ三部作を思い出してしまう年代でございますが。

今回はそんな愉快な映画ではございません。

 

 

 

 

沼田まほかるのミステリー小説が原作

2017年公開

主演:蒼井優 阿部サダヲ

のダブル主演

監督:白石和彌

 

 

町山智浩さんコメント

https://miyearnzzlabo.com/archives/45761

 

登場人物みんなおかしいぞ映画です

 

ストーリー

北原十和子と佐野陣治の大人のラブストーリー

十和子は毎日働きもせずクレームをつけながら、イライラしてる大阪のおばはん・・・少し若いけど

陣治は年の離れた(46歳くらい)の十和子の恋人。

 

十和子は別れた最低の元カレ黒崎(竹野内豊)が忘れられず、思い出DVDを観ては過ごしている。

現実の彼氏は現場で働く小汚い陣治(阿部サダヲ)

ただ、無償の愛を注ぎ続ける陣治。

十和子が浮気をしようが、セックスを拒否しようが、何しても怒らない。

 

そんな十和子に一人の男性が現れる。

時計屋の水島(松坂桃李)だ。

家庭もあるのだが、薄っぺらい言葉とプレゼントで十和子と関係を持つ。

だが、仮面が剥がれてきたときに・・・・十和子と陣治の仮面も・・・・

 

というサスペンスストーリー。

 

 

映画の作り

白石監督ということで、楽しみにして観た。

エロと暴力は約束されているので。

蒼井優があんなに沢山濡れ場があってビックリした。

だけど、あれは、映画の肝で、いつもと違うのは、ただ単にエロがあるのではなく、感じ方、喘ぎ方でその愛情が表現されていて、その時の感情のゆれ方が伺える。

 

他にも伏線の部分とか転換部には細かな細工があった気がした。

一個言うと陣治の目覚ましアラームが劇中では2回鳴るのだが、「ピピピ・・・」の音が大きい。

これで転換する。

事件の事実が少し明らかになったり。

 

食事シーンが凄かった。

陣治との食事

コロッケうどん、定食屋、すし、ぱん、肉、すき焼き

沢山出てきます。

陣治が奥歯を一回取るところに始まり、やたらこぼしたり、吐きそうになったり、しまいには(最初のうどんのシーンだが)靴下脱いで、足の指をこするところがある。

こんなに汚い食い方はまさにいい映画の証拠。

 

性と食事での表現が凄かった。

今回の映画は「性」と「暴力」ではなく、「性」と「食」で物語られますね

 

 

 

 

キャスト

最初のシーンではクレームおばさんが蒼井優? 合わないな・・・

とも思ったが、とことん男に依存していくという姿を見て、なるほどと思い、濡れ場でも怒りの顔でも、見ているうちに、全てハマってきた。

蒼井優凄い女優ですね。

あとは陣治は阿部サダヲしかいないでしょというほどですね。あと誰がいるのか・・・実年齢もぴったりだし・・・

木更津キャッツアイのころからいい演技でした。

ここに言っていたらきりがないのですが、ここでも悪役で竹ノ内豊が出てきます(ここでもっていうのは、孤狼の血でのヤクザ役)がこちらのちょっと優男風のろくでもない男という役がぴったり来てました。

 

あとは、あるカギを握っている「國枝」という重要な役で「中嶋しゅう」さんが出てきますが、遺作とのことです。

 

 

最後に

とにかく面白くていい映画でした。

愛とはなにか・・・

という大きな題材を、小汚い食事と蒼井優の性描写でうまく表現していました。

ただ・・

文句の一つも書きたいので書きます

 

電話をかけて折り返しがくるあのシーンでは現実と夢がごちゃ混ぜになって、白い砂浜のビーチに映像が飛びますが。

ここで私は瞬時に冷めてしまいました。

没入していた心を「は!」と「コレは映画なのだ」と引き戻す冷め方でした。

もっとうまくできませんかね・・・・

そして、とどめに、電車に乗るシーン

陣治が自分の前に割り込んで十和子の前に来たイケ面野郎を押し出すシーンがあります。

これこそが、この物語そのものと言ってもいいシーンなのに、そこから満員電車なのに、二人だけになる画になりますね。

あれは陣治の頭の中の表現なんだろうけど・・・あのシーンが大切だからこそ、余計な画を入れずに満員電車のままで良かった。

世間、ましては社会の中で生きているのだから。

 

 

でも

 

いい映画だから、見た方が得です