「いい子にしてた?」

 

「ハイ」

 

「それじゃおやすみ」

 

「ちょっと待っ・・・ ぽふっ」

 

電話はいきなり切れた。

切れる寸前に変な音がしたが・・・

あれはもしかして・・・考えると体に電流が流れるような感覚に襲われた。

そして、同時につい先ほどまでの母とのやり取りが悍ましく、そして汚らわしく感じお風呂へ直行した。

冷水を頭から浴び、体をゴシゴシタオルでこすり続けた。

 

せっかく持ってきたゴッドスメルを母のせいで逃がしてしまったのだ・・・

そうだ。

よく考えてみると、僕はいい男なのに未だに44歳にもなって独身な事がおかしい。

母にされるがままになっているのもおかしいことなのではないか?

これはもしかして、母の愛情というよりは、母の思うがままの奴隷になっているだけではないか?

そもそも、ゴッドスメルってなんだ・・・

 

まさしの頭の中で長年錆びついた歯車が油を帯びてゆっくりと回転するように思考が動き出した。

 

この瞬間からまさしは大人の階段を登る。

僕はもうシンデレラ。

 

そう考えるとあれだけ汚らわしかった身体が急に光を帯びたような気がして、最高の気分になった。

まさしはそのままの気分で寝床についた。

夢でもし逢えたら・・・素敵な事ね・・・・

「ま・・・ま・・・・まさゆき!!」

寝言である

 

翌朝

まさしは目覚めると母に宣言した。

 

「かぁさん。今までありがとう俺は蝶になる」

 

「え?まぁちゃん何言ってるの?」

 

「俺は昨日ゆっくりと僕珍を剥いてみたんだ」

 

「僕珍?」

 

「己の珍棒のことさ」

 

「ちょtっとまぁちゃん何言ってるの?」

 

「聞いてよ!僕はね。もう大人なんだ。蛹から蝶にならなきゃいけないんだ。だから、僕はこの家を出ていくよ。もう決めたから」

 

「んまぁ!!かあさんは許しませんよーー」

 

一連のやり取りの後、家を飛び出し公園にたどり着いた。

まさしはこの日初めて会社を休んだ。

親にたてついたのもこの日が初めてだった。

何かが動き出していく感覚にまさしはワクワクした。

 

太陽が燃えている。

ギラギラと燃えている。

 

まさしには後光がさしていた。

 

 

太陽が