梅雨が明けそうです。
先日TⅤにてノーカットでやっていましたね。
観たいな観たいなと思っていて、TⅤにてやっと観れた感じです。そして、もう一回レンタルで観ました。
リアルタイムで映画館に行くことのできなかった作品です。
しかしながら、何故今更この映画と取り上げるか。
個人的な話ですが、身近にこの映画のような人々がいたからです。貧困層とは違うはずなのですが、独居老人の年金を充てにして暮らす人々です。なので、この映画の紹介はかなり私情を挟んで紹介します
「万引き家族」 2018年6月公開
監督:是枝裕和
第71回カンヌ国際映画祭において、最高賞であるパルム・ドールを獲得した。
とあり〼
大変話題になった作品で
勿論、こちらでも
ライムスター宇多丸 https://www.tbsradio.jp/264466
町山智浩 https://www.tbsradio.jp/264466
このお二人の紹介はいつも参考にして映画を観ております。
また、映画を観た後でもこの紹介を聞くとさらに深みが増して映画が100倍楽しいこと間違いなし。
そしてそして
https://hon-hikidashi.jp/enjoy/58810/
是枝監督自らこう言っております
「映画を観た後に読む小説」と
映画では語られなかった、細かい背景などが書かれているとのことです。
商売上手!!
読みたい。しかし、ここはまだ読みません。なぜなら、これを試験とすると、僕のリテラシーを試す場だからです。
映画だけを観て感じること、そして、登場人物の背景。特におばあちゃんと信代(安藤サクラ)あたりの背景を想像して映画を観たので、小説はまた忘れたころに読みたいと思います。
★前談
町山さんも語っていますが、是枝監督はもともとドキュメンタリー番組を作っていた人なんです。
だからこそ、貧困、年金、家族、虐待、ネグレクトこの要素がすべて詰まった、社会へ問いかける内容なんですね。
「万引き」 いわずと知れた犯罪行為と「家族」一見ほのぼのとした集合体として見えるものを対比させたタイトルが、もう何か物語っているのは間違いなしです。
対比効果で言うと分かりやすく言えば、
黒沢明の「天国と地獄」
ですねー。余談でしたが。
私はよく小説なんかを文字通り「ジャケ買い」するのですが、正確に言うと「タイトル買い」なんですね。
先ずこのタイトルは買いです。
家族という集合体は本当に色々な形があると思います。
かつて私が幼いころ母親に観るように言われて観ていたアメリカドラマ「大草原の小さな家」があります。
ちなみにこれも、タイトルが対比してますね「大草原」と「小さな家」ですから。
これはアメリカの開拓時代のホームドラマなんですが、幼い自分にも衝撃を与えたのが、アルバートという少年が街でまさに万引きをして暮らしているところをチャールズというお父さんが、拾ってきて、3人娘のなかで一人の孤児の男の子を育てるという。
決して裕福ではないインガルス一家は暖かく迎え入れ、家族の在り方を教えてくれました。
家族というのは、人と人の集合体で、例え血がつながっていても繋がっていなくても、家族なんです。
よく、ギャングとか不良の集団が「ファミリー」とかいうのも家族だし、血がつながっていても、子供は出て行って、奥さんは遊んでいる、旦那はろくでもない仕事をしていて、祖母をだまして金を作り、挙句の果てに祖母の年金をあてにして暮らしている。これも「家族」
★映画「万引き家族」
冒頭から速攻で万引きしますね。
これ、物語の手法として大好きな入り方です。いきなりタイトル通りな奴です。
刑事コロンボでいきなり犯人が殺人を犯す。これを真似た手法で「古畑任三郎」が作られています。
リリーフランキー演じる「柴田治」と息子の翔太が二人で、帰宅していると、とある団地の柵越しに一人の少女を見つけます。
この少女がまた、可愛くて痩せすぎていて、本当に「大丈夫?」ってなる容姿なんです.
リリーさんが、食べかけにコロッケをあげるのですが、何とも言えないおびえた表情をします。
ここで、すでにもう社会問題のネグレクトが顔を出します。
なんとここで、この少女をおぶって連れ帰ってしまいます。
映画が始まって、直ぐに万引きとこのくだりはさすがドキュメンタリーというべきでしょうか。ググっと胸が痛くなる問題定義が出てきますね。
少女があの場所にいて、家から「産みたくて生んだんじゃないのよーーー」の声が聞こえてくる。
でも、実際一般人ならば、例えネグレクトにあっていたとしても、人の家の子供を連れ帰れないと思います。
どこかに通報するとか、とりあえず子供を救出しても、警察に行くとか・・・
でもさすが、ココは冒頭で見せた万引きが物をいうのです。普通ではない「親子」なのですから。
ここで、ある事件を思い出すのですが
https://www.asahi.com/articles/ASM6T63JNM6TUEHF01H.html
栗原心愛ちゃん事件
この事件で、児童相談所の所長の「目泳ぎ会見」がありましたが、あの人は完全に弱者でしたが、しかし、親の権利とかそういうものは本当に強いのだと思います。だから、例え虐待が明らかでも、大抵はその子を自分ではどうにもできないという問題がありますが、この映画では見事に「連れ去り」という最も単純な手法で助けます。
実は簡単なのだということと、保身ばかり考える世間の人を皮肉っております。
信代が言いますね
「身代金を要求してないから、誘拐じゃない」=犯罪ではない。
と。
この映画は徐々にその家族の関係性が明らかになっていくのですが、所々で万引きとか、窃盗とか、年金とか、JKビジネス、恐喝とかのちょっとした犯罪が沢山出てきます。が、すべて生きるためなのですね。
舞台が、下町の千住あたりなんですが、本当に江東、足立、葛飾あたりにはああいう家族がいてもちっともおかしくない。
本気の生活弱者。
よくあの感じの家があったなとライムスター宇多丸さんは言っておりましたが、下町にはあんな家は腐るほどあります。
最近は東日本大震災を境にして、古い民家などは取り壊しが進みましたが、まだまだありますよね。
そして、あの汚い風呂!!!
あれは、マジのヤツですよね。あれを見れば一発で、尋常じゃない暮らしぶりが解る。
あとは樹木希林が良かった。
歯が無くて本当のおばあちゃん。最初誰かわからなかった。
あのおばあちゃんの設定上だと思いますが、食べ方が一人だけやけに卑しく感じるというか、ミカンを皮も剥かないでかじるように食べたり、餅を食べ残して、あげたりなにか特徴的でした。樹木希林の見事な演技を見ました。
最後に、安藤サクラの長回しの涙シーンが良かった。
本当の人間の姿というか、人が人を思うときの涙だった。
本当に色々な人間模様と問題定義そして犯罪と正義考えさせられる映画でした。