火曜日
この日は晴天とい う名にふさわしい日だった。
ジロウは何時もの時間に何時もの電車で通勤するために家を出た。
心なしか体が軽い。自然と足取りも軽くなる。
今日はよく見てみようと思う。
酔っぱらって、帰ってきたあの日
そして昨日
彼女は少し微笑んだ気がする。そしてあの残り香がジロウの頭の中で何度も再生される。
ジロウは思う。
「オレは危ない人間になってしまったのか」
ニューズでは連日ストーカー殺人の報道がされている。
ひょっとして自分もその気質があるのではないかと思うほど今日はワクワクしていた。
しかし、この日その女性とすれ違うことはなかった。
必死で目を凝らして探したつもりだったが、居なかった。
「今日は休みなのかな?」と思うようにした。
しかし、次の日も、また次の日も現れなかった。というより、見つけることができなかった。
が、木曜日あきらめていたジロウの横をスーーっとあの香が通り過ぎた。
振り返ってみると、後ろ姿が何となくあの女だった。
しかし、それを確認することはできない。
もどかしさだけがジロウの中にこみ上げる。しかし、さらにあの女への興味が高まるのであった。